イメージ向上につながる「社食ツアー」

2012年06月07日 12時00分

【社食ツアーに潜入①】タニタのレシピ本がベストセラーになるなど、企業の社員食堂への関心が高まる中、「社食ツアー」がひそかなブームとなっている。これまでに開催された学研、日本マイクロソフト、バンダイ、ポーラの社食ツアーをご紹介しよう!

 4月24日、学研ホールディングス(東京都品川区)が創業以来、初めて社食ツアーを開催した。本社13階の食堂(写真)は360度ガラス張り。東京タワーや東京スカイツリーが見える中、参加者はヘルシータコライスなどの昼食を楽しんだ。

 企画したのは、クーポン共同購入サイト「ルクサ」(渋谷区)だ。参加費無料ということで、定員10人に2600人を超える応募が集まった。
ツアーは「企業PRの場」だ。食後、同社のベストセラー「カーヴィーダンス」シリーズの編集者が講座を開催。宮原博昭社長が会社概要を説明する場面も見られた。

 同社の社食はヘルシーメニューが特徴。人気の焼きヒレカツ(149キロカロリー)はご飯やみそ汁などが付いて500キロカロリー台だ。

 メニュー担当の西洋フード・コンパスグループ(品川区)・新屋響子栄養士によれば、「揚げずにスプレーで油をかけてオーブンで焼く。カロリーを抑えられます」。

 驚いたのは食器にカロリーと塩分のデータが入力されており、会計時に摂取カロリーと塩分が表示されること。記者も食べたヘルシータコライスと野菜スープは「681キロカロリー、塩分2・7グラム」。「手軽にカロリー計算ができる」とは学研の藤林仁司広報室室長の弁だ。

 もう一つの特徴は、ヘルシーな社会貢献メニューを提供する「TABLE FOR TWO(TFT)」プログラムの実施。これは社員食堂でTFTヘルシーメニューを購入すると、代金のうち20円が寄付となり、TFTを通じてアフリカの子供に給食1食分(20円)を提供する。まさに一石二鳥のプログラムだ。昨年から実施されており、TFTメニューを注文すると、食堂入り口にあるアフリカの地図にハートのシールを貼る。これは〝分かち合う心〟を体感する取り組みだという。

 ユニークな企画で利用率もアップ。過去には「懐かしの給食メニュー」や「大人のお子様ランチ」を提供。すしの実演が行われたり、B−1グランプリ入賞メニューが提供されることもある。

 藤林広報室室長は「ツアー開催の目的はまずTFTの取り組みを知っていただきたいこと。もう一つが社食を公開することでイメージアップにつながれば。以前は社食が〝企業の顔〟となるとは考えていませんでしたが、社食ブームなどもあり、社会にアピールできると気づきました」と語る。

 参加者側は企業の素顔を知ることができるし、企業側も知名度やイメージ向上につながる。まさに〝ウイン−ウイン〟なのかもしれない。

※続く