「米国VS中国」ファーウェイ問題で揺れるスマホ市場 日本はどっちにつく?

2019年05月22日 15時00分

ファーウェイ排除に動く米国(ロイター)

 トランプ米大統領が、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を本気で潰しにかかっている。専門家はファーウェイがスマホで第2位のシェアを持つ世界市場だけでなく、中国市場でも窮地に陥る可能性を指摘。日本企業も対応を誤れば、道連れになりかねない。

 米商務省は先週、ファーウェイに対する米国製ハイテク部品の禁輸措置を発表。これを受け、米グーグルはファーウェイに対し、スマートフォン向けソフトの提供を停止した。ファーウェイのスマホ基本ソフト(OS)のアンドロイドの更新等ができなくなる。

 この措置に対し、ファーウェイ側は猛反発。創業者の任正非最高経営責任者(CEO)は21日、中国国営の中央テレビの取材に対し、独自のスマホ生産が可能と強調。「私の家族は米アップルのスマホを使っている」とトランプ政権の度量の小ささを皮肉った。

 一方、同日、日本で新製品発表会に登壇したファーウェイデバイス日本・韓国リージョンプレジデントの呉波氏は「アメリカの決定は誰の利益にもならない。日本の消費者の皆さま、安心して購入してください」と呼び掛けたが、「発表会後の取材は対応できない」と動揺を隠せなかった。

「2019年 アメリカはどこまで中国を崩壊させるか」の著書がある経済評論家の渡辺哲也氏は「ファーウェイにとっての一番のリスクは、台湾の半導体受託製造メーカーTSMCで半導体生産を継続できるか。エンジン部分に当たる半導体がなくなれば、独自OSやスマホはおろか、5Gどころではなくなる」と指摘する。

 任CEOは「アメリカと同様の半導体チップをつくることができる」と強弁しているが「ファーウェイの技術力が高いといっても半導体の製造は別の話。製造できるようになるまで、少なくともあと5~10年はかかる」と渡辺氏。任氏の強がりでしかないという。

 トランプ政権は思いつきで、ファーウェイ排除に動いているわけでなく、以前から米国で導入に動いていた規制を淡々と実行しているだけにすぎないという。それだけに今後、ファーウェイ排除の決定を緩和させることはないとみられる。

 日本も人ごとではない。NTTドコモやKDDI、ソフトバンク傘下のワイモバイルなどが夏モデルでファーウェイ製のスマホ発売を発表していたが、KDDIとソフトバンクは22日に発売延期を発表。NTTドコモも予約受け付け停止を検討していることが明らかになった。

 昨年、米国が5Gネットワークからファーウェイを排除し、日本も遅れて追随した。今回の流れも予想できたハズだが、日本企業はファーウェイのスマホを取り扱い続け、部品供給している。

「日本企業が独自に持つ技術ならいいが、アメリカの技術が入っているものを今後、ファーウェイに提供した場合、制裁違反となる可能性が出てくる。過去に東芝機械がココム違反でアメリカの制裁を受け、倒産寸前に陥った。日本企業はファーウェイとの先端技術(5GやAI等)契約をやめないとファーウェイ同様、アメリカから制裁を受け、倒産に追い込まれかねない」(渡辺氏)

 米中の覇権争いはデジタル分野を含めてエスカレートする一方。

「今、米中間で文明の衝突が起きている。日本はあいまいな状況でふわふわしていると互いに信用を失い、韓国のようになってしまう。米中どちらにつくかを日本企業に突き付けられている」(渡辺氏)

 プラスにとらえれば、これまでファーウェイに食われていた国内でのシェアを日本企業が取り返すチャンスともいえるが…。