令和のご祝儀相場に水を差した「トランプ爆弾」

2019年05月07日 16時00分

トランプ大統領(ロイター)

 改元後初の取引となった7日の東京株式市場は、連休前の先月26日の終値2万2258円73銭から74円33銭安の2万2184円40銭でスタートした。令和のご祝儀相場に水を差したのは、日本時間6日早朝に飛び出したドナルド・トランプ大統領(72)のツイート。中国製品に対する関税引き上げを示唆したのだ。日本にとっては、よりによって連休最終日に“爆弾”を投下された形。「令和」の株式市場は波乱含みの展開だ。

 令和初の取引となった7日の東京市場は、連休当初の思惑が外れる下落で幕を開けた。

 下落の要因は、かねて株価を左右すると言われてきたトランプ大統領のツイートだ。日本時間6日早朝に中国との貿易協議に関して「通商協議の進展が遅すぎる。しかも、ここにきて中国が再交渉を企てているようだ」と投稿。

 2000億ドル相当の中国製品に対する関税率を10日から現行の10%を25%に引き上げることに加え、新たに3250億ドル相当の中国製品についても「近く」25%の関税を発動する考えを示した。

 これまでトランプ大統領は米中貿易問題の解決に向けて前向きな発言を連発し、市場もそれを期待していただけに、とんだちゃぶ台返しとなった。

 これを受け、6日の中国・上海市場は5%超の大幅安。アジア・欧州も連れ安し、世界各国で“トランプショック”が広がった。

 中国外務省の報道官は「米国が中国とともに努力して歩み寄り、相互尊重を基礎として双方の利益となる合意を得るよう希望する」と述べるにとどめ、直接的なトランプ批判は封印。一部で「中止を検討中」と報じられたワシントンでの米中閣僚級貿易協議については「訪米の準備をしている」と強調し、沈静化を図った。同協議は9、10日に行われることが米メディアで報じられた。

 シャレにならないのは、改元に伴うご祝儀相場を期待した投資家だ。というのも、連休前も含めてトランプ発言が飛び出すまで市況は堅調そのもの。米企業の決算が予想以上に好調だったことや、中国の貿易収支の急回復、海外為替市場での円安進行が追い風となり、連休中も取引されていた海外の日経平均先物は5日時点ではプラスだった。

「連休突入前に『調整』と呼ばれる下げはあったが、下げたところで拾う投資家も多かった。トランプのツイートが出るまでは誰もが連休明けのご祝儀相場を想像していた」とは証券アナリスト。

 それが一連のツイートで台無し。6日夜のダウ市場は一時470ドル程度の下げたものの、その後大幅に下げ幅を縮小し、終値は66・47ドル安の2万6438・48ドルで取引を終えた。

「トランプは来年の大統領選で再選することしか頭にない。頼みの綱は経済。中国との貿易協議が決裂すれば、米経済も深刻なダメージを負い、失業者が続出する。ダウが持ちこたえたのは、一連のツイートをトランプ流の“ブラフ”と判断したのだろう」(前出証券アナリスト)

 裏を返せば、トランプ大統領が“本気”だった場合は「一気の急落もあり得る」(同)。

 連休前の先月26日に日本株を1000万円近く購入した大手出版社勤務の40代男性は「(令和の)ご祝儀相場になってもらわないと困る。ぼろ儲けできるものだと思って、連休中に散財してしまった。連休初日は妻に内緒でうに丼を食べ、翌日の昼はウナギ。クラブのVIPルームもすでに予約してしまった」と嘆く。

 令和は激動の時代になるのか――。