「黒糖ドーナツ棒」誕生秘話となでしこ効果

2013年04月20日 16時00分

 黒糖ドーナツ棒は、まず生協でヒットした。

 実はなでしこの活躍で知られる前から着実に売り上げを伸ばしており、新工場を立ち上げてからの10年間、前年比130%の勢いで売れ続け、売り上げは約10倍に。2011年は、東日本大震災の影響で前期は売り上げが98%まで落ちたが、7月になでしこジャパンが女子W杯で優勝し、川澄奈穂美が試合後のマイクパフォーマンスで「黒糖ドーナツ棒ってご存じですか?」と話したことで注文が殺到。「おかげさまで商品名が全国に届きました。7~12月期は前年比160%でした。実はオーダーで言えば190%。3割お断りし、相当怒られました。この年は前年比126%です」。販路の拡大よりも、確実に顧客に商品を届けることをポリシーとしていた吉田社長にとって、注文を断ったのは痛恨の出来事だった。

 ところでなぜINAC神戸の胸スポンサーに?

「チームが熊本でキャンプをやっていて、支援をしてほしいという話が来ましてね。その時は2年後に九州新幹線開通を控え、関西で商品名が広がるかもしれないという単純な理由で受けました。胸も空いていたけど、10年はゲームパンツにつけたんです。そして翌年、どうしても胸スポンサーにとお願いされ、『世間から生意気だと思われる。そんな企業じゃない』と断ったんですが、最後の最後、『もうユニホームを作らないと間に合いません』と言われ、うちの力でできる値段でしたし、受けたんです。私がデザインを考えて社員に伝えてできたのがあの胸のデザインです」

 そして「その10日後ぐらいに」澤穂希らの日テレベレーザからの移籍が決定。なでしこジャパンの女子W杯制覇と、商品の知名度を一気に上げる流れが続いた。

 現在、本社敷地内に5階建ての工場ビルを建設中。「全体で26億円の売り上げを40億円までもっていきたい」という。