新紙幣流通日は各地の銀行でレア紙幣争奪戦

2019年04月10日 16時10分

「000001」番の伊藤博文の千円札(JR大塚駅「アサヒスタンプ」では各1万円で販売)

 コインマニアが色めき立ちそうだ。新紙幣が発行されれば、レア紙幣などの争奪戦が始まるからだ。

 紙幣の記番号は、頭(1~2文字)と末尾(1文字)のアルファベットと6桁数字(現行)で組み合わされる。アルファベット(「I」と「O」を除く)と数字(000001~900000)をすべて使用すると、記番号の印刷色が黒↓褐色に変わる。レアで人気のAA券とは、発行直後に製造された「A123456A」のように、頭と末尾がどちらもAの90万枚。第1枚目「A000001A」は日銀貨幣資料館に保存。その後の若い番号は採用された肖像画の人物の地元博物館などに保存される。

 だが、東京都豊島区で貨幣・切手を取り扱う「アサヒスタンプ」の店主で40年間紙幣を見つめてきた鈴木俊一さん(63)は「AA券は出回るところには出回る」と話す。通常、マニアらは新紙幣の流通日に各地の銀行に並ぶ。日銀や都内の大手銀行も人気だが「地銀でAA券が出ることもある。マニアが私の店に売りに来たときも『地方だったよ』と言うことはあるけど、どこの銀行のどの支店かは教えてくれない。みんな“得意先”がある」(同)という。

 AA券以外でも高額なのが、ゾロ目(777777)や連番(123456)で、5万円以上で買い取りされる。さらに製造ミスで「福耳」と呼ばれる紙幣。「裁断が失敗して、紙幣の一部分が切り取られないまま残っているもの」

 また、記番号は紙幣の右下と左上に記載されているが、そのアルファベットが異なるものは「JL券と呼ばれる2千円札が有名で、左上はJなのに、右下はLになっているものが目視検査を通り抜けて数千枚も刷られた。12万円で取引されている」。

 レア紙幣を入手できるかもしれない“裏技”も教えてもらった。「発行前には、海外への周知のために外国の外交官に『見本』が配られるらしい。『見本』と書かれて、使用できないように穴が開けられているそうです。超レア」。大使館関係者などに友人がいる人はおねだりしてみては。