死体画家が大阪で日本最後の個展 題材は事故や殺人で亡くなった人々

2018年04月12日 17時00分

作品と笹山氏

 人間の死をテーマとして描いてきた“死体画家”笹山直規氏(37)の個展「SOMEBODY」が大阪市北区の2つのギャラリーで行われている。15日まで。

 交通事故や殺人事件などで亡くなった人たちをモチーフとして描かれた絵は、どれをとっても強烈なインパクトがある。今回の展示はSNSを中心に広がり、両会場には連日、多くの人が訪れている。

 笹山氏単独での個展は4年ぶりだが、今回を最後に、日本での活動に終止符を打つという。

「日本で15年ほど活動してきました。もう未練もなければ、興味もないです。もっと評価されたかったですけどね。もともと、現代アートというのは、欧米の人たちによって作り上げられたものです。日本人はそれをマネしているに過ぎません。自分は、長年西洋美術を勉強してきました。『自分にもできるよ』ということを認めさせてやりたいんです」

 水彩画で描かれているものは“怖いもの”だが、にじむような色遣いや柔らかい筆のタッチを追うと、描かれているものが死体であることすら忘れてしまう。今後は米国で活動するという。

「目指すところはニューヨークです。最初の3か月が勝負。現地に着いたら一気に制作し、作品をギャラリーに売り込みます。契約に結びつけなければなりません。今、英語の猛勉強をしています。もっと早くからやっておくべきでした」

 なぜ笹山氏は死体を描くのか?

「セザンヌがリンゴをモチーフとして絵を描くのと同じで、自分は、死体がモチーフとなっているのです」などと説明。“死”は人間にとって普遍的なものであり、何かを表現するときの出発点でもあるという。“死体画家”の野望は、海を越えようとしている。