東京・中野「劇団員殺害」被告に無期懲役「悪魔の声」供述を完全否定

2018年03月08日 17時00分

 2015年8月、東京・中野区で劇団員の加賀谷理沙さん(25=当時)が殺害された事件で、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた無職戸倉高広被告(39)に東京地裁(任介辰哉裁判長)は7日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。

 面識のない加賀谷さん宅へ侵入し、口をふさいで床に押し倒し、扇風機のコードで被害者を絞殺。服やバッグなどを奪って逃走したとして起訴された。

 戸倉被告は「被害者とLINEのIDを交換したくて後をつけ、マンションの玄関で声をかけたところ大声で驚かれたので、口をふさいで床に押し倒した」と説明。その時「早く倒さないと危ない」と“悪魔の声”が聞こえたという。加賀谷さんが後ずさりをした時には「首だよ。コードを使えば」という声が聞こえたともいい、扇風機のコードで絞殺。遺体の背中には尻尾が見えたという。

 弁護側は幻聴について「解離性人格障害と、統合失調症の疑いがある」と主張。だが、裁判長は「学生時代の成績によれば、刑事責任を負うことができる。医師は幻聴のことは精神鑑定では話していなかった」とし、戸倉被告が聞いた“悪魔の声”は完全否定された。

 戸倉被告は犯行後、被害者の生死を確かめるため、遺体の左胸をなめたという。その後DNA型鑑定で犯行がバレるのを恐れ、自分の唾液をボディーソープで洗い流したという。証拠隠滅はかなり用意周到で、自分の指紋がついて証拠が残る服を遺体から脱がせて奪った。なぜかリモコンも持ち去って逃走した。

 弁護側が否認していたわいせつ目的での犯行について、裁判長は「遅くとも被害者宅に侵入した時点では、わいせつ目的があった」と認定した。

 これまでも戸倉被告は供述をコロコロ変えてきた。16年2月の任意の事情聴取では、容疑を否認していたが、翌月の逮捕後には一転して殺人を認め「事件直前に見かけてついて行き、殺した。責任を取る」と供述していた。