覚醒剤事件「被告逃走」経路確保も怠った検察の失態

2018年03月01日 17時00分

 覚醒剤取締法違反の罪で起訴された被告の男が保釈中に入所していた更生施設から逃走を図った問題で、収監に訪れていた北海道・函館地検の失態が明らかになった。

 無事に身柄確保となったが、全国に所在する更生施設関係者は「全国の更生施設のイメージが悪化しなければいいが…」と不安を覚えている。

 逃走劇は25日午前に発生。保釈の指定条件として千葉・館山市の更生施設に入所していた伊藤貴明被告(40)は、保釈取り消しになり函館地検の5人の係官の手で収監される予定だった。

 その日は日曜日。施設に職員は1人だけ。係官らの監視の目が緩んでいた隙を突いて部屋の窓から飛び出して逃げて行ったとされる。検察は5人も人員を揃えておきながら逃走経路の確保さえ怠り、責任問題は免れない。協力を要請された千葉県警は、数十人の警官を迅速に配備。2晩が経過した27日朝、被告が施設にひょっこり顔を出したため、身柄を確保できた。

 だが、施設に出入りする関係者は内情をこう明かす。

「被告は覚醒剤使用者の更生に明るい施設を自ら選んで入所したが、施設の生活に嫌気がさして地元へ帰ると主張した。施設側が止めるのも聞かず、無理やり地元の北海道の親元を訪ねたものの、帰宅を拒否され、再び施設に戻ってきた」

 施設側の報告を受けた検察が被告の帰りを待ち構えたが「検察は被告の顔写真さえ持ってこなかったようだ。誰を捕まえていいのかもわからない。職務怠慢と言われても仕方ない。被告も保釈取り消しになっているとも知らず、面食らって逃げたと聞いている」と同関係者。

 検察が慌てふためいていたのは、県警の「被告はリーゼントで体格がよい。はだしで窓から逃げ出した」という報道発表からも明らかだ。その場に居合わせた検察官の情報を基にした内容だったが「実際の被告は体格はよいが、ツーブロックのサラサラヘアで靴も履いていた」(地元メディア関係者)という。