北アフリカではもう日本人と名乗ってはいけない

2013年01月31日 16時00分

 アルジェリアなど北アフリカではもう日本人とも中国人とも名乗ってはいけない。人質事件での犠牲者は37人中、日本人が10人と最多だった。事件で逮捕されたイスラム武装勢力の男が、組織を率いるベルモフタール司令官から「フランス人と英国人、日本人の5人を人質にするように指示された」と証言している。


 日本製のアニメや電化製品、自動車なども人気が高く、アルジェリアは親日家が多い。しかし、現地に詳しい関係者は「今回、日本人が狙われた真相はまだ分かりません。でも、日本人は人命第一でテロ組織と交渉し、カネを出す可能性があるとみられていることは確かでしょう」と指摘する。


 アルジェリアを始めイスラム圏を旅行すると、現地の人たちは「ヤーバーニー(日本人)? シーニー(中国人)?」と声を掛けてくる。日本人観光客はカネ払いがよく、中国人は渋いから、確認したいわけだ。これまでは「ヤーバーニー」と日本人であることを主張してもよかったが、今後はそうもいかない。しかし、「シーニー」と間違われることは、もっとリスクが高そうだ。


「自国内で産出できる石油が枯渇してしまった中国は、エネルギー資源を求めてアフリカ諸国に大量に進出しています。2011年のジャスミン革命では、チュニジアアやエジプトの独裁政権が打倒されましたが、中国はアフリカ各地でこういった独裁政権と結託して地下資源の利権を独占するというやり方を多くやっています」(前出関係者)


 つまり現地の一般市民からすれば、中国は自分たちの富の強奪者だということだ。しかも、2009年に中国が新疆ウイグル自治区のイスラム教徒のウイグル人を虐殺したことに対し、アルジェリア人質事件の首謀者が属していたイスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQIM)は中国政府への報復を宣言していた。


 外務省は海外安全ホームページで「退避を勧告します。渡航は延期してください」としている。日本人であっても、中国人と間違われても、いまのアルジェリアには危険しかない。