助成金詐欺逮捕“スパコンの異端児”が保守陣営に歓迎されたワケ

2017年12月08日 17時00分

 スーパーコンピューター開発の「ペジーコンピューティング」の斉藤元章社長(48)らが経済産業省所管の「NEDO」から助成金約4億3000万円をだまし取ったとして、東京地検特捜部に逮捕された事件で、同容疑者の華麗なる人脈に捜査のメスが入っている。

 米シリコンバレーで医療ベンチャーを立ち上げていた斉藤容疑者が、日本で事業を始めたのは東日本大震災後の2011年。次々とスパコン関連のベンチャー企業を立ち上げ、15年にはスパコンの省エネ部門ランキング「Green500」で1~3位を独占した。

 斉藤氏が持論としていたのはスパコンが切り開く仰天の未来予想図だ。自著などによれば、スパコンの急速な技術革新で、すべての分野で自動・ロボット化が進む結果、電力をはじめ、衣食住に関わるすべてが事実上、無料になるという。さらに労働する必要もなくなり、医療技術が進み人類は1000歳まで生きられる不労・不老の時代が近い将来訪れるというのだ。

 また、コンピューターウイルスが自ら知性を持つことで、大量破壊兵器はすぐさま無力化され、保持していることが逆にリスクになると力説していた。

「彼はスパコンの能力が国力になると力説し、スパコン開発でトップを走っていた中国を日本が追い越さなくてはいけないと触れ回った。“総理に最も近い”と自称するジャーナリストの介在もあって、不老不死の話は眉唾ものでも、中国に負けない富国論がウケ、保守陣営でもてはやされた」(永田町関係者)

 斉藤容疑者は政権や与党、保守系論陣にも幅広い人脈を持ち、それを売りにベンチャー企業が最も苦労する助成金争いを勝ち抜き、快挙につなげたともいえる。

「彼を持ち上げていた関係者は逮捕を受け、一斉に痕跡を消し始めています。特捜部が動いた以上、単なる助成金詐欺では終わらないでしょう」(同)

 特捜部は同容疑者が詐欺を主導していたとして本件以外の不透明なカネの流れも追うとみられる。