トランプ米大統領“食接待バトル”韓国が苦悩

2017年11月07日 17時45分

安倍首相がトランプ大統領(右から)を鉄板焼きでおもてなし(ロイター)

 ドナルド・トランプ米大統領(71)が7日午前、2泊3日の来日日程を終え、次の訪問地である韓国へ。日本へのライバル心をメラメラと燃え上がらせる韓国はトランプ氏を国賓とし、到着と同時に礼砲を21連射してお出迎え。偏食で有名なトランプ氏を歓待するのに料理は重要。日本では特製ハンバーガーと和牛ステーキに舌鼓を打ったトランプ氏に対し、韓国はビビンバで対抗するというが…。

「男の心をつかむには、まずは胃袋をつかめ」

 米国にそんな“格言”があるとおり、日本政府はトランプ氏の好みを徹底リサーチしていた。

 来日直後、5日午後のゴルフ外交のランチで出されたのは、大好物のハンバーガー。日本政府が選び抜いたのは、東京・港区にある「マンチズバーガー シャック」の「コルビージャックチーズバーガー」だ。お値段1200円で、米国産の高品質アンガスビーフを利用した濃厚な味わいが特徴。日本人はレアやミディアムを好むが、トランプ氏はご存じの通りウエルダン一本やり。食後、トランプ氏は「ベリーグッド!」と述べ、店主と握手を交わしたという。

 5日夜の夕食会は「ミシュランガイド東京」で1つ星を獲得した「銀座うかい亭」で“おもてなし”。肉厚の極上牛ステーキに伊勢エビやホタテなど、高級食材をふんだんに使った料理に舌鼓を打ったという。

 店側はトランプ氏の大好きなケチャップを用意していたが、同氏はそれは使わず、牛ステーキをウエルダンで、トリュフソースをお代わりして食べたという。

 会談内容はともかく、食の部分ではトランプ氏の胃袋をつかむことに成功したようだ。

 これにピリピリしているのが、1泊2日の予定で訪れる韓国。来日前から、トランプ氏の日本滞在が2泊3日であることに難クセをつけ「同等の扱いをしろ!」と米国側に伝えている。

 韓国はトランプ氏を国賓として招き、到着と同時に礼砲を21連射する。米国では日本時間6日未明にテキサス州の教会で少なくとも26人が亡くなる銃乱射事件が起きたばかりだが…。日本でのトランプ氏は国賓に次ぐ「公式実務訪問賓客」待遇だった。

 7日午後には大統領府の青瓦台でトランプ氏一行の公式歓迎式典が開かれ、文在寅大統領(64)との首脳会談に臨む。そして夕刻には、迎賓館で両首脳夫妻ら120人が出席する夕食会を開催。そこで出される料理に注目が集まっているが、一部では悲観的な声も。

 韓国のネット上では、“肉対決”をしても日本の和牛のとろける食感と、韓国の焼き肉では「分が悪い」と分析。トランプ氏がウエルダンを好むのもマイナスで「肉がカチコチになってしまう」と嘆いている。日本政府が用意した特製ハンバーガーに対抗し、ロッテリアのハンバーガーを勧める声もあるが、現実味は薄そうだ。

 そこで頼みの綱として登場しそうなのが、同じく韓国人にとってソウルフードのビビンバだと韓国メディアが報じている。米飯とコチュジャン、ナムルをまぜて作られるビビンバは、それ自体が「和合と協力」の意味を持つという。

 韓国事情に詳しい関係者は「今年6月に文大統領がホワイトハウスに招かれたときに、米国側は『和合と協力』の象徴であるビビンバを出した。今度は韓国側が“本場の味”で返す番だ。2012年3月のソウル核安全保障サミットの夕食会でも、メーンメニューは春野菜のビビンバだった」と話す。

 ソウルでは5日から反トランプ派と親米派が相次いで集会を行っている。「ようこそ韓国へ」とプラカードを掲げる者もいれば、北朝鮮への武力行使をチラつかせるトランプ氏に「戦争反対」と声を上げる者もいる。反トランプ派は7日、同氏の宿泊ホテル近くで反米集会を行う予定という。

 そうした緊迫も“ビビンバ外交”で乗り越えることができるか――。