神奈川県座間市のアパートから9人のバラバラ遺体が見つかり、死体遺棄容疑で白石隆浩容疑者(27)が逮捕されてから6日で1週間となった。9人全員の身元情報が浮上しており、うち1人は東京都八王子市の田村愛子さん(23)と判明したことを警視庁高尾署捜査本部が6日に発表した。

 田村さんの身元はDNA型鑑定で特定された。捜査本部や捜査関係者によると残る8人は、埼玉県の女性(26)や女子大生(19)、女子高生(17)、群馬県の女子高生(15)、福島県の女子高生(17)、神奈川県の女性(25)、カップルの男性(20)と女性(21)とみられる。

 白石容疑者が、最初に殺害した女性について「アパートを借りるため、事前に50万円を銀行口座に振り込ませた」と供述していることが新たに分かった。SNS等で告白した自殺願望はうそだったとの供述もすでに明らかになっているが、残されたナゾは少なくない。

 本紙既報のように、1か月分の家賃が無料になるキャンペーンの適用日を待たずに、なぜ現場のアパート一室への入居を急いだのか。「楽して生活したかった」とも供述しているが、犠牲者の半分は学生。大金ではなさそうな所持金を奪うほかにも「殺人マニア向けに商売を考えていたら…ひょっとしたら恐ろしい映像が押収されている可能性もある」(事情通)。

 さらに、これも本紙が既報した“協力者”が存在する可能性のほか、取り調べに対する過剰なまでの供述も疑問を呼ぶ。

「嘱託殺人や自殺ほう助だと7年以下の懲役なのに、死刑もある強盗殺人の線でペラペラしゃべっている。そこが不自然で何かを隠しているのか、それとも何も考えていないのか…」と法曹関係者は指摘している。