アルジェリア人質事件 新たなテロ予告

2013年01月24日 16時00分

 プラント建設大手「日揮」の日本人駐在員10人らの安否が依然として不明のアルジェリア人質事件は、「日本人9人が16日に殺害された」という証言が20日に一部海外メディアで伝えられ、深刻さを募らせた。犯行グループのイスラム武装勢力に対するアルジェリア軍の掃討作戦は終了し、同国内務省は「人質23人と武装勢力メンバー32人全員がこれまでに死亡」などとする声明を出した。武装勢力5人が拘束される一方、新たな攻撃予告もなされるなど事態はいまだ緊迫している。

 

 

「マリ北部に介入するな」   

 

 在アルジェリア日本大使館によると、城内実外務政務官と日揮の川名浩一社長らは20日夜(日本時間21日未明)、事件が起きた南東部イナメナスのガス田施設を視察。不明の日本人の安否確認が本格化した。

 

「9邦人殺害」はフランス公共ラジオが報じた。日揮のアルジェリア人スタッフら2人が、9人は事件発生の16日に殺害されたと証言。それによると、イナメナスの空港に向かうバスから逃げ出そうとした3人がまず殺害され、別の6人はガス田施設内にある居住区で殺された。居住区での殺害は、武装勢力の1人が北米風の発音の英語で「ドアを開けろ」と叫んで銃を撃ち、2人が死亡。これとは別に施設内で日本人4人の遺体を見つけたという。

 

 米国人や英国人、ベルギー人らも巻き込まれた人質事件では、これまでに外国人107人、アルジェリア人685人が解放された。日揮は邦人殺害情報を確認していないが、日本人駐在員10人の安否が不明としている。同社の外国人スタッフも54人は無事だが、7人が安否不明だという。

 

 アルジェリアのテレビは20日、同国治安当局がこれまでに武装勢力5人を拘束したと報道。さらに3人の行方を追っているという。同国内務省は19日、武装勢力メンバー32人全員が死亡したなどと発表していた。

 

 事件は一応の収束をみたわけだが、これで地域が安全になったとは言えない。犯行グループのイスラム武装勢力「覆面旅団」は20日、モーリタニアの通信社を通じて声明を出し、フランスがマリへの軍事介入をやめないなら「さらなる攻撃を行う」と警告した。

 

 一方、モーリタニアのニュースサイトは20日、事件の首謀者とされる覆面旅団のモフタル・ベルモフタール司令官のビデオ犯行声明を入手したと報じた。17日に撮影されたとしているが、映像は公開していない。