異常すぎる連続殺人鬼の“新たな心の闇”を示唆するような仰天証言が飛び出した。神奈川県座間市のアパートの一室で男女9人を惨殺した疑いが持たれている白石隆浩容疑者(27)が、ニューハーフクラブに出入りし「性転換」について執拗に店の“女の子”に質問していたというのだ。「女になりたい」思いを心に抱えながらシリアルキラーと化したのか? また10年以上前に、白石容疑者の実家周辺で、猫の惨殺体が見つかっていた。これも同容疑者の仕業だとしたら…。

 猟奇殺人の異様さが、日を追うごとに明らかになっている。

 殺人、遺体損壊の現場となったとみられる白石容疑者のアパートの部屋からは、切断用らしきノコギリが見つかっていたが、新たに拘束グッズや虐待に悪用できる道具も押収された。

 同容疑者は取り調べに「抵抗する女性の首を絞めて気絶させた後で殺害した」と供述している。

 事件の概要も見えてきた。殺害した9人のうち、女性は8人で、男性は1人。“最初の殺人”は8月下旬で、1組のカップルだった。同容疑者は「最初に女性を殺害した後、交際相手の男性を殺害した」と供述。

 また、8人の被害女性全員に性的暴行を行ったと話しており、17歳ぐらいの未成年女性も4人含まれているという。

 捜査関係者によれば、取り調べ中の白石容疑者は「淡々とよどみなく答えている。彼にはすでに国選弁護人が付いており『しゃべり過ぎないように』と忠告しているが、本人がそれを無視してペラペラと話している。捜査員も『異常だ。こんなヤツ、見たことがない』と口を揃えている」という。

 そんななか、容疑者について不可解な新証言も続々出てきた。

 以前、働いていた会社の同僚が「男性と添い寝をする副業をしていたことがある」と明かしている。他にもニューハーフクラブに出入りしていたといい、従業員いわく「白石容疑者は性転換手術のことや、性転換後の体のことを執拗に聞いてきた」。

 捜査関係者によると6月ごろには、父親に「生きていても意味がない」「何のために生きているのか分からない」と話していたとも。男をやめたい気持ちが、生きることへの絶望感に変わったのか。

「凶悪殺人事件を調べると、犯人は失業や離婚など、人生を大きく変える“何か”を経験したことが引き金となり、殺人鬼となる。風俗スカウトとして女性を食い物にしていたのに、自分の中の女性に気づいてしまったのが、大きな転機となった可能性があるかもしれない。レイプ目的やカネ目的と供述しているのは、男らしさを強調するためのうそかもしれない」と事情通は指摘する。

 一方で、10代前半から異常性の兆候があったかもしれないと思わせる話も飛び出した。

 近隣住民によると「十数年前には、容疑者の実家前の道路に、血まみれの猫が横たわっていたことがあった。猫の体には、刃物でザクザクと刺されたような傷があった。見つけた近所の人が保健所に届けていた」という。小動物虐待があったというのだ。これも白石容疑者の仕業なのか?

 だが、父親は久しぶりに同容疑者が実家へ帰ってきた時に「『飼い犬の面倒を見てくれているんだ』と誇らしげに話していた」との話がある。猫への虐待が容疑者の行為なら飼い犬の世話と相反する事象にも見えるが、そうとも限らないという。

 犯罪心理学者の北芝健氏は「猟奇殺人犯は小さなころから、自分よりも弱い小動物を虐待する。それでいて飼い犬の世話をするなど、バレないように切り抜ける術を持つので虐待行為は止められない。被害を受けた小動物はおそらく猫だけではないだろう」と語る。

 このような残虐性を持つ者は、いずれ小動物では飽き足らなくなる。

「そうやって小さな成功を積み重ねていくうちに、大人になって男性ホルモンが一気に増え、小動物では満たされなくなる。そして、ターゲットを人間へと変え、何人もの被害者が出るのです」(同)

 その一方で、白石容疑者は、自分の中の残虐性を封じ込めようと性転換に興味を抱いていたのかもしれない。