全国で多発「ロード・レイジ事件」運転中キレる人間の精神構造

2017年10月20日 17時00分

 警察庁は19日、1~6月に高速道路であおり運転をしたなどとして、全国の警察が道交法違反の「車間距離不保持」で摘発した件数が3057件と明らかにした。この日は一般道での「ロード・レイジ」と呼ばれる言動による事件が連続摘発された。なぜ、車に乗るとキレやすくなるのか。

 栃木県では、後続車のドアを殴ってへこませたとして、器物損壊の疑いで飲食店従業員の秋沢卓容疑者(37)が逮捕された。9月30日午前、宇都宮市内の県道で同市の女性(57)の乗用車の運転席側のドアを殴ってへこませた疑い。クラクションを鳴らされ腹を立てたとみられる。

 埼玉県では、あおり運転を注意され刃物で脅したとして、暴力行為法違反の疑いで介護士、長谷川保容疑者(41)が逮捕された。9月30日朝、建設業の男性(26)に刃物を見せて「ぶっ殺すぞ」などと脅した疑い。乗用車で約700メートルにわたり、前方を走っていた男性のトラックに接近しクラクションを鳴らすなどしたという。

 この日はまた、路上で車同士のトラブルになった男性をのみで刺し、重傷を負わせたとして、宮城県警佐沼署が傷害の疑いで農業、千葉輝彦容疑者(46)を再逮捕したことも分かった。

 走行中の割り込みや追い越しに激怒し、あおったり、進路妨害するなどの報復行動に出るロード・レイジによる交通トラブルは後を絶たない。殺傷能力もある自動車を暴走させることは危険極まりない。

 東京・豊島区にある「榎本クリニック」院長の精神科医、山下悠毅氏は「車に乗ることで力を手に入れた感覚になる人は少なからずいます」と前置きし、こう続ける。

「運転中にキレやすい最大の理由は、すぐに現場から離れられるからです。つまり、ヤリ逃げできるからです。また、非日常的なエリアであっても起きやすくなります。周囲の人が通りすがりの人であるなら、いないのも同様です。キレて、あおったり、暴力行為が発生するのは『バレない』『捕まらない』といった環境要因の影響が大きいのです。逆に警官が取り締まっている場所では誰もが自制しながら運転します」

 車に乗るとキレやすくなってしまうのでは、この手の事件はなくならないだろう。