大阪市内のマンションに侵入し住人の女性に乱暴したとして、大阪府警が強制性交などの疑いで元テレビ朝日社員の無職岡部順一容疑者(55)を逮捕していたことが16日、分かった。数年前から市内で同様の被害が相次いでおり、3件に関与した疑いがあるとみて調べている。

 捜査関係者によると、岡部容疑者は7月、市内で、20代女性が住む部屋に侵入し、性的暴行を加えた疑いがある。玄関は無施錠だった。既に同罪で起訴されており、府警の調べに、おおむね容疑を認めていたという。

 この女性を含め3人が被害を訴えており、いずれも岡部容疑者の自宅から約1キロの範囲に住んでいた。防犯カメラ映像などから同容疑者が浮上した。

 岡部容疑者はテレ朝社員だった2002年、都内のマンションに侵入し、就寝中の女性3人に性的暴行を加えたなどとして強姦罪などで起訴され、04年に東京高裁で懲役10年の判決を受けた。その後確定し、服役して14年に出所していたとみられる。

 今回の逮捕については今後、調べが進むが、01年から02年にかけての連続レイプ事件は、用意周到で凶悪だったことが公判などから明らかになっている。
 被害者は10人以上ともみられ、8人ほどが芸能プロダクションに所属するタレントの卵だったという。多くの被害者が泣き寝入りし、立件されたのが3件だったようだ。

「いったん女性宅に侵入し、写真などで美人の一人暮らしと確認したうえで再度、部屋に押し入ってレイプするという入念さ。ナイフで脅すのが常とう手段で、レイプ最中に写真を撮影し、口止め工作をしていた」と関係者。

 今年7月、性犯罪の厳罰化を盛り込んだ改正刑法が施行され、強姦罪が強制性交等罪に改称され、量刑は5年以上20年以下の懲役となった(従来は3年以上の有期刑)。今回の事件で有罪となっても、出所すれば、また事件を起こすのだろうか。