京都府警中京署は5日までに、施術を装い10代の少女にわいせつな行為をしたとして準強制わいせつの疑いで、京都市中京区「京都さとう鍼灸院」院長の佐藤臣児容疑者(49)を逮捕した。女子大生から茶道の家元、芸能人までが訪れる「隠れ家」で行われたエロ施術に業界関係者は怒り心頭だ。盗撮ビデオの存在の可能性も指摘されており、とんでもない余罪が出てきそうな雲行きだ。

 逮捕容疑は、6月10日午後5~7時ごろ治療を受けに来た少女に「タイ古式マッサージをする」「婦人科のツボがある」などと話し、床に敷いたヨガマットの上で少女を全裸にして胸などを触った疑い。同院は個室でのマンツーマン形式だ。

「タイ古式にはプロレス技『ロメロスペシャル』に似たものもある。密室の中、全裸の少女の羞恥は相当だっただろう」(整体業界関係者)

 同署によると、佐藤容疑者は「少女が好きだった。わいせつな行為をしたけども、わいせつな気持ちでしてない」と哲学めいた供述で容疑を否認している。

 だが、中京署は「被害者側に恋愛感情はない。少女から報告を受けた親から電話で『警察に行く』と抗議を受けた佐藤容疑者は6月中旬、先んじて同署に『女性にいかがわしい行為をした』と連絡した」と語る。

 少女は数年前から週に1~2回ほど通院し、約1年間わいせつな行為を受けたと申告。

「被害者は『手が滑ったのかな?』という考えを持っていた。口コミも多く、良い先生だと信じていたようだ」(同署)

 佐藤容疑者のブログでは、客の9割が女性で、うち8割が長女と明かしている。「人に相談できないことが多く、(中略)我慢を強いられることも多いのが長女」だそうだ。エロ行為を受けても周囲に黙っている長女を特に狙ったと解釈できそうだ。

 ブログやホームページの情報によると、顧客には京都女子大学、同志社女子大学などの名門女子大生、また芸能人、著名人、茶道・華道の家元が来るとうたっている。マンション3階の隠れ家的な鍼灸院で「こっそり施術を受けたい方におすすめ」とも。

 捜査関係者は「家宅捜索では、カメラなどのブツや盗撮動画が出てくるかもしれない」と語る。佐藤容疑者のインスタグラムには女性モデルのフォロワーも存在することから「事件が報道されることで、他の女性からのエロ被害や盗撮被害が報告されるかもしれない」と中京署。

 この事件に対して、鍼灸業界関係者の怒りは相当なものだ。女性鍼灸師は「マジメに女性疾患に向き合ってる男性の先生が本当に迷惑している」と訴える。施術で全裸にすることや、女性の胸への施術・刺激は「ありえない」と強調する。

「婦人科に効くとされるツボは足、下腹部、腰部、仙骨にある。出産後に母乳の出を良くするため、胸周りを触ることはあるけど、背中や肩甲骨のツボと併用する。鍼灸やマッサージでもおっぱいが見えないように配慮する。タイ古式でも全裸なんて聞いたことがない。乳首への刺激も考えられない」(同)

 さらに、女性鍼灸師は「この男は『しないと体が良くならないよ』とでも言って口八丁で洗脳したんじゃないかな。乳首の真上のツボ『乳中』は禁忌穴(鍼灸刺激NG)。乳首に鍼を打つなんてないし、指の刺激も当然ない。そもそも、乳首触ってまで施術しようとしない。常識のある施術者なら、乳首以上の効果があるほかの方法を用いる。AVの見過ぎだ」と怒っている。