3日夜、埼玉県草加市のアパートの部屋に住む高校2年の少女(16)と高校2年の西山康介さん(16)が、刃物で刺され西山さんが死亡し、少女が重傷を負った事件が起きた。殺人などの容疑で逮捕された三郷市の高1の少年(15)が「西山さんが彼女を取ろうとしたので殺そうと思った」と供述していることが分かった。

 少年は、同じ高校の1学年上の少女と以前交際していたがフラれ、恨みを募らせ犯行に及んだとみられる。犯行後、三郷市内の自宅に戻っていたところを緊急逮捕された。重傷を負った少女に対しても「裏切られたからやった」という趣旨の供述をしているという。

 3日午後11時40分ごろ、少女の姉とその交際相手から「妹と妹の彼氏が刺された」との通報を受け、草加署員が駆け付けると、室内で西山さんと少女が胸などから血を流して倒れていた。

 近隣住民によると「パトカー4、5台に救急車が2台来ていたんで何事だろうと思って外に出ると、担架で女の子が運び出されていた。おなかや手足が血だらけだったけど、意識はちゃんとしていて『彼氏が…彼氏が…』と救急隊に訴えていた」という。

 遅れて担架で運び出された西山さんは、ブルーシートをかぶせられた状態で心臓マッサージを受けていたという。

 別の住民は「夕方ごろに少女と彼氏がスエットのような部屋着で一緒に出かけるのをよく見かけた。学校に通っていないのかなと思っていた」という。

 西山さんを知る友人は「中学時代はボランティア部に入っていて明るくて優しい子だった。ゲームが好きで女っ気はなかったが、去年になって『彼女ができた。すごく優しい子』とうれしそうに話していたのに」と無念そうに語った。