茨城大生殺害13年後の容疑者逮捕 専門家が指摘する捜査が滞る原因

2017年09月05日 08時30分

 2004年に茨城大農学部の女子大生(21=当時)が殺害された事件で、主犯のフィリピン国籍で岐阜県瑞穂市の工員ランパノ・ジェリコ・モリ容疑者(35)が殺人と強姦致死容疑で2日に逮捕された。

 事件は04年1月31日午前0時ごろ、女子大生が茨城県阿見町の自宅を外出した後に発生。ランパノ容疑者ら男3人が女子大生に性的暴行を加え、首を圧迫して殺害した疑い。共謀のフィリピン国籍の男2人はすでに出国している。

 事件直後から手掛かりが少なく、迷宮入りとみられていたが、ランパノ容疑者が周囲に事件への関与をほのめかす発言をしたとの情報が数年前に茨城県警に寄せられた。

 同容疑者の周辺捜査からDNA鑑定を経て、逮捕へとつながった。県警の捜査1課長は「ご遺族に非常に長い間、心労をかけた」と話した。県警が意地を見せたともいえるが、元警視庁刑事で犯罪ジャーナリストの北芝健氏は「逮捕に13年もかかったのは県警の怠慢にほかならない」と怒り心頭だ。

「どこの警察も予算をとりたいがために、難しい殺人事件などは後回しにして詐欺や交通違反などやりやすいところから手を付けて検挙率を上げることを優先している。これが未解決事件が増えている原因」と指摘する。

 ランパノ容疑者は事件後、岐阜県に移り住み工場で勤務するかたわら、結婚して3人の子供までもうけていた。「時効直前で逮捕された松山ホステス殺しの福田和子の時も飲み屋のビール瓶から指紋を取ったように、指紋なんて通い捜査で半日もあればできる」(北芝氏)

 刑事の士気の問題に加え、部署間の意地の張り合いが事件解決を遅らせているという。「各県警の科捜研(科学捜査研究所)で処理できない案件は警察庁の科警研(科学警察研究所)に持ち込まれるが、これもメンツの問題で捜査が滞ることも実際にある」(同)。事件解決のために風通しの良い組織であってほしいものだが…。