上野駅ホーム突き落とし事件初公判 被告が逃走図ったあきれた理由

2017年09月01日 17時00分

 JR上野駅のホームから30代男性を突き落としてケガをさせたとして、傷害罪に問われた渋谷正寿被告(65)の初公判が31日、東京地裁で行われた。

 6月19日午後11時ごろ、同駅5番ホームで男性を線路に突き落としたとされる。男性は腰などの骨を折って全治2か月のケガ。渋谷被告は救護活動や緊急停止ボタンを押すこともなく、その場から立ち去ったところを警備員に捕まえられ、引き渡された警察によって逮捕された。当時、飲酒していた。

 男性の供述調書によると、電車待ちの列に並んでいたところで渋谷被告から無言で体を強くぶつけられた。思わず「いやいや、痛いよ。おい」と言ったところ、渋谷被告は「じゃあ、やってやるよ」と向かってきて、両者は互いに胸ぐらをつかんだ。もみ合って回転しながら移動。気付けばホームの“崖っ縁”にいて危険を感じた瞬間、両手で胸を押され、左半身から線路に落ちたという。

 身長166センチ、体重60キロの小柄な男性と比べて、渋谷被告は身長180センチに届きそうな大きな体格。押されたらひとたまりもない。

 線路を挟んだ4番線にいた警備員が「両手で被害者の上半身を突き飛ばした瞬間を見た」と証言している。事件後に「俺は帰るんだから、関係ねえよ」と立ち去ろうとした渋谷被告だったが、警備員にしがみつかれて「わかったよ。逃げねえよ」と観念したのだった。

 傷害の事実は認めたが「相手が先に腕をつかんだので振り払った。両手で胸を押していない」と一部否認した。体の骨を折って倒れている男性を助けず、逃げようとした理由を「這い上がって反撃されると思った」などとした言葉は言い訳がましい。

 電車が走ってきたら死に至った可能性もあり、本来は殺人未遂罪でもおかしくない。男性は「犯人は否認して謝罪もない。私は殺されかけていて許せない」と強い処罰感情を示した。