7月に北海道で失踪した中国人小学校教師・危秋潔さん(26)の可能性がある遺体が27日、釧路市の海岸で発見された。身長160センチは危さんとほぼ同じで、7月に行方不明になった際の服装と一致。30日、危さんの遺体と確認された。

 危さんは7月20日に札幌市のゲストハウスにチェックインし、25日までの宿泊費を前払い。22日には釧路市の阿寒湖のホテルに宿泊。翌朝早く午前7時半にチェックアウトした。釧路の商業施設などを訪れた後で、消息を断った。

 元刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は「最後に防犯カメラで姿を捉えられたコンビニから海岸まで7~8キロ。観光客はおろか地元の人もほとんど行かないところ。フラフラせず、目的を持って歩いていた。最後の場所を自分で決めていたように見える」と話す。

 危さんが美しく若い女性のため、暴行されたり誘拐された可能性も考えられなくはないが「発見時に衣服を着ていたことから、それはない。ゲストハウスには遺書めいた書簡があったとも聞く。道警も自殺が濃厚とみている」(小川氏)。

 一方で、中国人観光客が多く訪れる釧路、阿寒湖、美瑛などで一人旅を楽しむ様子が確認されている。

 また「当初は友達と来日する予定だった。友達の用事で1人になった。自殺するにしても、わざわざ来日する意味はあるのか?」などといった疑問も根強く残る。

 日本人も「本当に自殺か?」と疑問を抱くだろう。当然、遺族や中国人も同じことを考えている。だからこそ、道警は慎重に対応しないといけない。

 小川氏は「このニュースに中国全土が注目している。道警は自殺ありきの捜査ではなく、事件・事故・自殺各方向からの捜査を詰めてほしい。遺族や中国を納得させるため、警察が究明した死因をしっかり伝える必要がある。安全だと思われていた日本・北海道の観光業にもかかわる」と指摘する。