品川スーツケース死体遺棄事件初公判 争点は殺意否認夫の情状酌量

2017年08月29日 17時00分

 東京都品川区の京浜運河で昨年6月、スーツケースに入った中国籍の楊梅さん(34=当時)の遺体が見つかった事件で、殺人などの罪に問われた夫の無職・周世超被告(38)は28日、東京地裁(島田一哉裁判長)の裁判員裁判初公判で殺意を否認。死体遺棄罪の起訴内容は認めた。

 昨年6月22日ごろ、荒川区の自宅で楊さんの首を圧迫して窒息死させ、遺体をスーツケースに入れて運河に遺棄したとされている。夫婦は2007年に中国で結婚。それぞれ13~14年に、外国人技能実習生として来日した。しかし楊さんは京都府で行方をくらまして、周被告も鳥取県の養豚場から姿を消してから関東を転々としていた。

 検察側は、冒頭陳述で「強固な殺意があった」と指摘。一方、殺意を否定する弁護側は経緯を説明。楊さんの金遣いが荒かったことから、2人は自宅で口論に。周被告は平手で左頬を2回叩かれたり、ハイヒールを投げられたり、「親殺す!」などと大声で侮辱されたという。黙らせようと倒れた楊さんの顔に布団をかぶせて片手を押し付けていたところ、息をしていなかったことに気づいた。蘇生も試みたことから「過剰防衛で殺意はなかった」と主張する。

 検察側は楊さんの首の骨が折れていたことからも殺意を認定させようとするが、弁護側はスーツケースに遺体を入れる際に折れたとしている。

 殺害直後、ぼうぜん自失だった周被告だったが、中国で仕送りを待つ家族のため、仕事を続ける必要があった。そこで、遺体を隠すことを計画してスーツケースに石灰とレンガを入れて川に投げ込んだ。

 事件前に楊さんが被害者として巻き込まれた交通事故の話し合いの場で、弁護士に告白。弁護士とともに交番に出頭したのだった。

 周被告サイドは情状をどこまで認めさせられるかの勝負となる。