転売? 嫌がらせ? 5県18高校で発生 野球ボール9300個連続盗難の怪

2017年08月19日 17時00分

 なんだかよくわからない事件が発生した。先月から栃木、茨城、福島、群馬、埼玉県の高校計18校の部室や倉庫から、野球ボール約9300個、バット約20本が盗まれる事件が発生し、学校や球児、関係者らが困惑している。

 栃木県では5県の中で最多となるボール3320球、バット10本が盗まれ、県高校野球連盟は各校へ注意喚起した。900球前後が盗まれた白楊高校では「定期的に行う昼と夜の警備では不審人物は見当たらなかった」と話す。宇都宮北高校では、納品したばかりの新品の野球ボール6ダースが盗まれた。

 まず考えられるのは、怨恨や嫌がらせだ。先月、早朝練習時に、野球ボール約1300球が盗まれた高校では、倉庫の鍵は壊されていなかったという。鍵のありかを知っている関係者の犯行の可能性は確かにある。だが、これだけ被害が拡大しており、その目的も分からない。

 かといって高校野球好きのマニアによる犯行もコレクションするには数が多すぎるとあって、考えにくい。

 最も可能性が高いのが、転売目的だ。高校野球の試合球には、県の高校野球連盟のマークが記載されており、1ダースの値段は新品で1万2000円ほどになる。ただ、マーク入りのボールをネットオークション等で転売すれば、数が多いとあって、すぐに足がつく。そこで浮上するのが“闇ルート”の存在だ。野球用品店関係者は「硬式球のマークを付け替える業者を挟んだ転売ルートが出来上がっているのではないか」と指摘する。

 またボールを巡っては“贈答”の慣習があり、事件に絡んでいる線もある。「高校を相手に商売する地元業者が、重宝がられるボールを学校への贈り物にして、ひいきにしてもらおうという慣習がある」(同関係者)。盗んだボールが買い取られ、また高校に贈られているのか?

 5県にまたがっているとはいえ、栃木県警は同一犯行グループによる転売目的の犯行とみている。それでも謎は多く「転売(目的にしても)ルートがよく分からない。だからって嫌がらせだとしたら、随分無駄な労力を使っている」と捜査関係者はあきれ顔。いずれにせよ甲子園開催中に発覚した、奇妙な事件だ。