厚労省女性キャリア刺殺のナゾ 容疑者の弟の間に何があった?

2017年08月15日 08時00分

 厚生労働省の女性キャリアで関東信越厚生局長の北島智子さん(56)が12日早朝、東京・港区高輪のマンションで、職業不詳の弟(52)に包丁で刺されて殺害された事件で、死因が腹部を何度も刺されたことによる出血性ショックと判明した。

 弟は調べに「私がやりました」と容疑を認めている。弟は精神科への通院歴があり警視庁は刑事責任能力の有無についても調べる。北島さんは弟と現場マンションで同居する母親の介護のため、事件前日の夜から弟の自宅に泊まっていたという。

 マンションの住人は「朝早くからドスンという物音や“キャー”という悲鳴が聞こえて、犬がほえ続けていた。バタンとドアを乱暴に開け閉めする音も聞こえて最初はどこかでケンカしているのかなと思っていたら、そのうちパトカーや救急車が来て事件だったのかなと思った」と語る。北島さんと弟の間で何があったのか警察は原因を調べている。

 北島さんは日大医学部を卒業後、埼玉県庁を経て1988年、厚生省に入省。主に医療福祉畑を歩んだ。オウム真理教事件時は、教団の富士山総本部があった山梨県の厚生部健康増進課長として対応に追われたことも。

 2011年には新潟県副知事、13年からは精神・障害保健課長を歴任。14年には環境省に出向し、東京電力福島第1原発事故の影響による福島県民健康調査に関する山本太郎参院議員からの質問に政府参考人として答弁する姿もあった。マトリで有名な麻薬取締部も所管する関東信越厚生局の局長には7月に就任したばかりだった。

 精神・障害保健課長時代には入省者向けパンフレットに「精神科病院の長期入院患者の地域生活への移行が最大の課題だと思っています。今年は、こうした患者さんたちの地域の受け皿づくりについて具体的に検討する予定です」などとメッセージを寄せていた。

 精神保健医療や福祉の改革に心を砕いた北島さんだけに、無念の最期だったに違いない。