パラサイト息子を刺殺未遂 親子関係を悪化させる世代格差

2017年08月03日 17時00分

 同居する自称会社員の息子(43)を包丁で刺して殺害しようとした殺人未遂容疑で2日、大阪市城東区の無職、関地常雄容疑者(75)が城東署に現行犯逮捕された。「自立せずに自堕落な生活をして家を出て行かない息子に、不満がたまっていた」と容疑を認めているという。

 2日午前7時50分ごろ、自宅で寝ていた息子の顔を包丁で刺して両頬などに軽いけがをさせた疑い。関地容疑者は自ら「息子を包丁で刺した」と通報。息子は駆けつけた署員に「オヤジは奥におる! 早く捕まえてくれ!!」と訴えたという。

 同署によると「現場は築40年以上の分譲マンションの一室。3LDKに夫(関地容疑者)と69歳の妻、息子の3人暮らしで、肩寄せ合うような狭さではない」。

 とはいえ、独身の中年息子との同居は親もストレスがたまり、関係悪化することも多いという。

 一時期、実家暮らしをしていた独身男性(46)も「僕らの世代は就職氷河期で、一つの企業を定年まで勤め上げた父親世代とは相いれない。顔を合わせるたびに『ネットオークションじゃなくて働け』ってプレッシャーをかけられる。顔を合わせたくないので、僕の場合は一日中外出してましたね」と振り返る。

 夫婦問題研究家の岡野あつこ氏は「父親にすれば、定年まで勤め上げて手に入れた年金生活。生活費も入れないでぐうたらの息子にジャマされれば世間体も悪いし、腹も立つ。ただ、中年の子供が寄生する家はどちらかの親が甘いケースが多い。妻が息子中心で世話を焼くことへの嫉妬心も事件の背景にあるのではないか」とみる。

 また、岡野氏は「寝込みを襲うにもなぜ朝方だったのか」と疑問を呈する。世間の同世代の男性は出社する時間帯に、まだ寝ている息子に腹を立てたのか、はたまた昼夜逆転生活で息子は朝方やっと寝付いたのか…。ライフサイクルの違いも、同居親子の関係を悪化させる原因の一つだという。