足柄の墓荒らし容疑者は80歳 地元の犯人像「力持ち」との“落差”

2017年07月18日 17時00分

 ストレス解消にしてはバチ当たりが過ぎる。神奈川県南足柄市の大雄山最乗寺の墓地で墓石を倒して壊したとして、神奈川県警松田署は先日、同市の無職山崎治男容疑者(80)を器物損壊の疑いで逮捕した。8日午前10時ごろ、墓石や灯籠を両手で倒して壊した疑い。同署によると山崎容疑者は「墓地には行ったが、やっていない」と容疑を否認している。周辺の防犯カメラに山崎容疑者と酷似した男が墓石を倒す様子が写っていたという。

 開創以来600年の歴史を持つ由緒正しい曹洞宗の寺は、困惑に満ちていた。犯行動機について寺の僧侶は「皆目見当がつかない。宗教上の恨みもないし。男(容疑者)と寺にトラブルも関連も全くない」と首をかしげる。同じ墓地で事件当日に15基前後が、6月下旬にも約30基が倒される被害もあり、関連が調べられている。「○○家」と書かれている墓石は「棹石(さおいし)」と呼ばれ、通常80キロを超える重さだ。

「『かなりの力持ちじゃないとできないよね』と話していたんです。墓はコンクリートで接着されているし、コツを知らないと倒せない。これだけの数を倒すのだから、遠くの人でもないなと想像していたが…。80歳のおじいさんだったとは。えらいことしでかしちゃったよ」(前同)

 墓を荒らされた家族は頭を抱えている。なにせ、高い買い物だからだ。

「良い石を使っていれば、100万円単位。石が傷ついても気にしない人もいれば、傷ついてなくても『もうイヤだ』と言う人もいる。そうなると、墓石としての価値はなくなる」(前同)

 被害額は数千万円を超えるかもしれない。寺も家族も泣き寝入りするしかないのか。

 もはや、容疑者が更生するには仏門入りして修行するしかないのでは? ここまで取材に対応してくれた僧侶は「いや、いまさら修行してもね…。私も80歳になるんですが、80歳にもなればもう悟りきってますよ」と“門前払い”にした。