中国人をカモにする「金地金詐欺」の裏事情

2017年07月13日 08時00分

 金塊の売買を装い、現金をだまし取ろうとしたとして、警視庁新宿署は11日までに、詐欺未遂の疑いで、中国籍で住所職業不詳の鐘桂海容疑者(44)ら男2人を現行犯逮捕した。逮捕は10日付。

 2人は6~7月、飲食店を経営する中国籍の女性(47)に「工事現場で金製品を発掘した」などとうそを言い、金色の仏像2個と、金属の塊50個の購入を持ちかけて400万円を詐取しようとした疑い。新宿署によると、2人は女性に「金の塊から削り取った」と言って純金の破片を渡し、鑑定を勧めて信用させようとした。同様の事件は都内で4~6月に少なくとも2件あり、別の中国籍の男2人が逮捕された。同署が関連を調べている。

 鐘容疑者らは女性の携帯電話に連絡してきたが、面識はなかった。新宿署は指南役が他にいるとみている。それにしても、中国人が中国人をだますとは、どうなっているのか。面識もなかったという。

 中国の犯罪に詳しいルポライターの奥窪優木氏は「中国には街中にたくさん“金行”という金地金を買える店があって、それこそ怪しげな金行も含め少しでも条件のいいところを探して売り買いするのが常識です」と言う。なぜ、中国人はそこまで金に飢えているのか。

「対ドルでみると、人民元の価値はここ10年で史上最安値となった。人民元の安値水準が続いている中で、中国人は不安に陥り、リスク分散として金やビットコインの需要が高まっているんです」(同)

 今回の事件は被害女性も中国籍だった。奥窪氏は「日本在住なら、中国人でも外貨は購入できる。正規のルートを利用せず、しかも仏像の形をした怪しい金色の置物の購入を考えたのなら、よほど現金よりも金が欲しかったのでしょう。金塊購入の交渉で犯人側は『発掘した金だから、消費税の8%をまけておくよ』という言葉を使っているかもしれない」と語った。