満月の魔力?帯広のオオカミ男 住居侵入容疑で逮捕

2017年07月12日 07時15分

「満月の夜は精神が不安定になるので犯罪が増える」――こんな都市伝説がある。科学的な根拠がまったくないことが、ラヴァル大学(カナダ)の研究などで明らかになっている。しかし、つい先日、侵入犯が犯行理由を「満月のせいだ」とする奇妙な事件が発生した。その真相は…。

 集合住宅3階の隣人女性宅のベランダに侵入したとして、北海道帯広市の自称とび職の男(47)が10日までに、住居侵入容疑で帯広署に現行犯逮捕された。「満月を見ていたらベランダを越えてしまった」などと意味不明な供述をしている。

 容疑者は満月の夜の9日午後8時すぎ、隣人である50代女性の部屋のベランダに勝手に侵入した疑い。向かいの住人から「ベランダを乗り越えている不審な男がいる!」と110番通報があり発覚した。容疑者と女性は、顔を知っている程度の間柄だといい、道警はこれといった近所トラブルなどは把握していない。容疑者はアルコール検査を拒み「詳しく話したくない」としている。

 事件があった9日夜8時ごろの帯広市内は、気温22度と過ごしやすく、思わず月見酒でもしたくなるような心地よい気候だったが“風流心”から一転、隣人女性宅への不法侵入に容疑者を駆り立てたのは、供述通り満月の仕業なのだろうか。

 元警視庁刑事で犯罪ジャーナリストの北芝健氏は「全国的な統計は残念ながらないが、夜勤の警官の間で『満月の夜は気をつけよう』という合言葉があるくらいで、実際に満月の日は、日没から事件や事故が増える」と指摘する。

 満月はオオカミ男の伝承などから不吉なイメージも持たれるが、実際に「月の引力の影響で脳の水分が左右の一方に偏って、右折禁止場所で右折したくなるなど“普段ならやらない、やっちゃいけない行為”をしたくなる」(同)心理状態を引き起こし、犯罪を誘発するという。

 北芝氏は「この男の場合も飲酒や満月などの条件が揃ってタガが外れて、性的興味があった隣人との接触の衝動が抑えられなくなった可能性もあるが、オオカミ男の言い伝えなどオカルトに影響されてこんな言い訳をしているだけではないか」と分析する。