世界遺産登録決定した「沖の島」に心配事

2017年07月11日 07時10分

 ポーランドで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は9日、福岡県宗像市などにある「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界文化遺産登録を決定した。豪雨被害に苦しむ福岡県民は歓喜の声を上げているが、一部では神聖な場所であるがゆえに「そっとしておいた方が…」という意見も。お隣、韓国では同島で出土した宝飾品の数々は「もとをただせば朝鮮から渡ってきたもの」という説があり、同島に無断上陸し“奪還作戦”を決行しようとするやからもいるという。

 逆転登録だ。今年5月、ユネスコ諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)は宗像大社沖津宮がある沖ノ島と付随する3つの岩礁のみを登録し、他の4資産は除外するのが適当と勧告していた。

 それが日本側の懸命なロビー活動により、ユネスコは勧告を覆し、全8資産の一括登録を決定。先週末の記録的な豪雨で甚大な被害を受けた福岡の人たちは歓喜の声を上げているが、一方で問題も山積している。

 1つは同島が神聖すぎる場所であること。4世紀以降の大和朝廷時代から航海祭祀が催され、島全体が“御神体”として扱われている。島に入れるのは男性だけで、年に200人程度。それも5月の沖津宮現地大祭の時に限られ、男性は入島前に全裸になって海でみそぎを行う必要がある。

 関係者は「海外メディアなどでは、女人禁制を差別とみなす報道もあり、晴れて世界遺産に登録されることで、今後こうした議論が活発化する可能性がある」と指摘する。

 外国人観光客によるマナー違反を心配する声もある。このところ沖ノ島にレジャー船の停泊が相次ぎ、福岡県など関係自治体による世界遺産推進会議は昨年、島内の2か所に防犯カメラを設置することを決めた。

 同関係者によると「観光目的ならまだしも、なかには同島周辺が絶好の釣り場であることを知って、密漁を働く中国人もいる」という。観光業は潤うが、沖ノ島が“荒らされる”危険も付きまとう。

 最後は、もはやお家芸と言ってもいい韓国の横ヤリだ。沖ノ島は「海の正倉院」とも呼ばれ、8万点もの遺物は国宝に一括指定されているが、韓国内には「出土品には金の指輪や馬具など、新羅製のものが目立つ。もとをただせば我々の文化財だ」というトンデモ理論を唱える者も…。

 2012年には韓国人窃盗団によって長崎県対馬市の神社などから重要文化財の仏像2体が盗まれ、うち1体は韓国の浮石寺が所有権を主張し、いまだ日本に返還されていない。国家ぐるみで盗品を自分のものと言い張るのだから、手に負えない。

「対馬の盗難事件と同じで、沖ノ島に無断上陸して、宝飾品を盗もうとするやからが今後出るとも限らない」(同)

 ただし、同島には「一木一草一石たりとも持ち出してはならない」という禁忌があり、過去に神宝を持ち出そうとした江戸時代の武将・黒田長政には不吉なことが相次いだとされる。不思議なパワーを持つ“神の島”であるがゆえに「そっとしておいた方が…」と、世界遺産認定に難色を示す人が多いのもうなずける。