日本では7日、七夕を迎えたが、中国では今年“香港締め付け”の日になってしまった。

 七夕は中国の言い伝えに基づく印象があると思われがちだが、実際の中国では旧暦のため、今年の七夕は8月28日だ。

 中国で7月7日といえば、日中全面戦争が始まるきっかけとなった盧溝橋事件の日として知られている。特に今年は事件から80周年。盧溝橋のある宛平県では、特別展や抗日演劇などのイベントが行われている。

 さらに中国の空母「遼寧」が7日、香港に初めて寄港。これは日本に対して軍事力を誇示するとの見方もあるが、実際は香港への威圧の意味が強いという。

 中国事情通は「実は盧溝橋事件は、それほど話題になっていません。中国では満州事変こそが日中開戦のきっかけと認知されているためです」と語る。

 1日には香港返還20周年があり、中国全土で大きな注目を集めた。

「フェイスブックやツイッター、インスタグラムなど様々なSNSを国内規制する中国政府にとって、最も警戒する先は香港、マカオ、台湾の反政府論であり、香港は3年前にも学生が中心になって革命を起こしたため、習近平主席の現地訪問は、大きな注目を集めました。アジアの絶対王者ではなくなった仮想敵国・日本への遺恨よりも、現代的に深刻な国内問題と向き合っているんです」と同事情通。

 習氏の香港訪問には香港警察のうち、3分の1もが投入され、厳戒態勢だった。そして、習氏はトップとしてのメンツを保つように「中央の権力に挑戦する行動を決して許さない」と演説した。

 ちなみに、中国の七夕では、短冊に願いごとを書く習慣はない。「七夕情人節」と呼ばれ、恋人にプレゼントを贈る第2のバレンタインデーとして認識されている。