とんでもない“少女の敵”が捕まった。インターネット上でモデルを募集し、契約した少女にアダルトビデオ(AV)の出演を強要したとして、大阪府警保安課は29日、職業安定法違反(有害業務募集)の疑いで住所不定、DVD販売サイト運営者の金沢新一容疑者(48)を逮捕した。売り上げがおよそ1億5000万円と荒稼ぎしたこの男、約6年前にも逮捕されたが、犯行内容がエスカレート。200人以上の少女を毒牙にかけた極悪非道な手口を公開する。

 保安課によると、被害者は1都2府16県で200人を超え、大半が18~19歳とみられる。

 2012年10月から今年4月まで「アイドルの卵」などの商品名で、わいせつ行為や水着姿のDVDを販売し、約1億4700万円を売り上げたという。

 逮捕容疑は14年10月、「アイドルのコスプレ撮影のモデル」と称し、AV撮影の目的で募集し、大阪府の当時18歳の少女と契約した疑い。「顔出しはしないと安心させ、実際はAV撮影だった」と容疑を認めている。

 今年2月、被害者支援団体から警察庁に情報提供があり、府警が捜査。出演強要を巡り、政府は5月、全国の警察に専門官を新設するなど、取り締まりの強化や被害者支援の充実を決めている。

 金沢容疑者は自ら運営したモデル募集サイト「Moe★Moe Style」でメイドカフェのモデル募集として、ターゲットを集めていた。また、複数の若い女性向けのアルバイト情報サイトにも「求人情報」として募集を掛けていた。内容は非常に“魅力的”だ。

「給料は1日3時間で5万円、3日で20万円→帰りに手渡しです!! 必ずもらえる金額です」「25年の運営実績があるグループです」「今しかできません。ちょっとの勇気で今しかできない新しい自分を発見しちゃいましょう」と宣伝。そして補足説明で「お仕事の強制はしていません。お仕事前に詳細ご説明後お仕事してもらってますので、引き止めませんので無理だなと思ったら遠慮なく辞退できます! その場合も交通費支給します」としている。

 ユーチューブにはイメージビデオ風に撮影した“安心な動画”をアップし、応募者を安心させていたようだ。

 しかし、実際は面接に来た際、免許証や学生証を持たせた姿を撮影。住所や通学先を把握し、髪形のセット代1万5000円を負担した上で「弁護士がいるので断ったら大変なことになる。セット代も返してもらう」と言い、違約金の規定があるAV出演の契約書にサインさせていた。

 事情通は「女子高生が援助交際でエッチしても2万円ぐらいだから、3時間で5万円という値段だけで、エッチだけじゃなく、その映像を流されると分かるものです。一度、流れた映像はネット上で永遠にコピーされ続け、消えることはないのです」と語る。

 金沢容疑者は11年12月にも逮捕された。今回同様、ネットで「日払い1万円! ノリ良く頑張った子には15万円以上」「一生のうちで一番輝けるのは今だけです」「脱ぎ系とか無しなので安心してね」という内容でモデルを募集し、撮影前に美容院に行かせ、着エロを撮影し販売していた。しかし、14歳の少女の上半身裸の画像を撮影して、児童買春・ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造)の疑いで逮捕され「スケベ心から撮った」と容疑を認めていた。

 前出の事情通は「前回は性行為はなかった。今回は自らAV監督と男優役を務めた。つまり、18歳相手に200人以上とハメ撮りしたように犯行がエスカレートしている。性犯罪者はより強い刺激がなければ満足しなくなり、どんどんエスカレートするもの。この事件で有罪になって刑期を終えて出てきたら、どんな卑劣な犯行に及ぶのか恐ろしい」と指摘する。