犯行現場は駐車場 イマドキの「押し売り」実態

2017年05月25日 17時00分

 面識のない男性に駐車場などで声をかけて時計や数珠を押し売りした特定商取引法違反(威迫困惑など)容疑で23日、茨城県龍ケ崎市の自称販売業浦口和也容疑者(40)が同県警稲敷署に逮捕された。

 昨年12月、稲敷市内のレンタルビデオ店駐車場で男性(47)に数珠1個を3000円で売り付け、元日には市内のコンビニ駐車場で男性(37)に腕時計2個を合計4万円で売りつけた疑い。「生活費のためだった」と容疑を認めている。同署はコンビニやパチンコ店など不特定多数の出入りがある店の駐車場でターゲットを物色していたとみて余罪を追及する方針だ。

“押し売り”というと、高齢者世帯に押しかけて高額布団を買わせたり、主婦相手に法外な価格で竿竹を売りつけるなど、女性や高齢者が被害者となるケースが多かったが今回の2事件の被害者はともに中年男性だった。

 公共の場で面識もない男から物を売りつけられて逃げられなかったのはなぜなのか。

 捜査関係者は「1人は浦口容疑者の車に乗せられて数珠を買わされた。もう1人は容疑者が車に乗り込んできて、しつこく腕時計を見せてくるので“早く解放されたい”と思ってしまった。エンジンキーを抜いて通報してくれればよかったのですが…」。郊外の車社会の街では車内が押し売り現場となった。

 浦口容疑者はカタギとは思えない風貌で、その場で通報されることがないよう“セールストーク”も慎重だった。「こっちだって遊びじゃねえんだよ。考えてくれよ。私のことを助けて1本だけでも買ってくださいよ~」などと脅迫に当たらないよう、しつこくネバったという。

「社名を名乗ることもなく、その場で現金支払いを済ませると領収書ももらえないため、被害者は誰から商品を買ったかも分からず、クーリングオフもできない状態だった」(捜査員)

 同署は背後に組織があるかどうかも調べるという。