東京都台東区のマンションで都立高校3年の佐藤麻衣さん(17)を殺害した容疑で逮捕された同級生の少年(18)が、事件前からネットで「油での火の付け方」「道に生えている毒草」など殺害方法に関するキーワードを検索していたことが分かった。事件が計画的だった可能性も出てきた。

 4日午前8時半ごろに佐藤さん宅から出火し、佐藤さんは搬送先の病院で亡くなった。少年は火災の第一発見者を装って通報。自らも煙を吸い込み入院していたが、調べに「首を絞めて殺害した」「布団に火を付けた」などと容疑を認める供述をしているという。

 事件前日の3日午後8時半ごろ、少年は映画デートの帰りに佐藤さんを自宅まで送り届けた。佐藤さんの家族は旅行中で不在だった。防犯カメラには翌4日朝に再び佐藤さん宅に向かう少年の姿が写っていた。佐藤さんに煙を吸い込んだ形跡がないため、容疑者の少年が3日夜から4日朝8時半ごろまでの間に殺害した後、放火したとみられる。

 近隣住民は「1年くらい前から、彼氏が佐藤さんを送り届けて家の前に座り込んで話し込んでいるのをしょっちゅう見かけていた。ゴールデンウイーク前に見た時も仲良さそうだったのに…」と驚きを隠せない。

 少年は一体どんな人物なのか。クラスメートは「ピコ太郎とか平野ノラのモノマネでおどけたりするお調子者。マンガ誌『ジャンプ』が大好き。最近も『帝一の國』の話題で盛り上がっていたし、どこにでもいるヤツ。一方でカッとなりやすくて、手までは出ないけど、口論になった相手をネチネチ攻撃したり、あたり散らすこともあった。“何を考えているか分からない”タイプではない」と語る。

 佐藤さんは小さいころから剣道に打ち込み、剣道愛にあふれる高3だった。少年はバスケ部に所属していたが、交際開始と前後して佐藤さんと同じ剣道部に中途入部して、掛け持ちしていたという。少しでも一緒にいたいとの思いだったのか、それともすでに何か別の思惑があったのだろうか。