一昨年6月、神奈川県相模原市の墓地で阿部由香利さん(25=当時)の遺体が発見された事件で死体遺棄罪に問われた秋山智咲被告(25)の控訴審判決が12日、東京高裁で開かれ、秋葉康弘裁判長は被告側の控訴を棄却。弁護側は即日、上告した。

 静岡豪農の箱入り娘だた秋山被告は当時交際していた共犯の佐藤一麿被告(31=殺人罪で起訴)にそそのかされ死体遺棄を手伝った疑いがもたれたが、一貫して「人の死体と認識していなかった」と無罪を主張。一審の有罪判決(懲役1年、執行猶予3年)を不服とし控訴したが、ひっくり返らなかった。

 3月17日の結審日に引き続き、判決後にもまた司法記者クラブで“異例”の記者会見を行った。秋山被告は「一審と変わりない判決に怒りを感じる。何で分かってくれないの?とずっと思っている」とイラ立ちを見せ、「納得のいく判断が出るまで戦い続けます」と上告を宣言した。

 メディアを積極活用する泉澤章弁護士の方針でテレビ局の単独インタビューに応じたり、会見を開いてきた秋山被告だが、結局は「犬の死体だと思っていた」との主張を繰り返すばかり。マスコミは徐々にしらけムードになっていて、せっかくの“被告人質問”も、ほとんど手が挙がらない状態だ。

 一審では法廷での挑発的な態度を裁判長からとがめられるなどイケイケだった泉澤弁護士も控訴審では慎重なのか、さすがに疲れたのかおとなしかったが、それでも結果は変わらず。第3ラウンドに隠し玉を持っているとも思えない。

 傍聴したフリーライターは「田舎のお嬢様だから“キズ者”のままでは嫁げないという古い意識があるのでは。今回の逮捕で婚約破談になっているし、なんとか無罪を勝ち取ろうと躍起なのでしょう」と指摘。異例の潔白会見は今後も続きそうだ。