中国ネット情報統制最高レベル 江沢民元主席「死亡説」の真偽

2017年05月12日 17時00分

 2003年まで中国国家主席を務めた江沢民氏(90)が死亡したとの情報が飛び込んできた。江氏が脳梗塞で倒れ、上海市にある復旦大学付属華山医院に搬送されたというニュースは8日以降、香港や台湾の複数のメディアが報じている。

 香港のニュースサイト「東網」(8日付)は、江氏の容体を「危篤」状態と伝えている。病院の内外では多数の警官が警戒にあたっており、周辺の道路では交通規制されるなど、厳戒態勢にあるという。

 同時に、ネット上の情報統制も最高レベルに引き上げられている。11日、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」で「華山医院」と検索してみても何もヒットせず、代わりに「関係する法律法規・政策により、検索結果を表示できない」とのメッセージが現れる。

 実在する病院の名前がタブーになるのは異例のこと。それもそのはず。江氏はすでに息を引き取っているが、政府の方針で死の事実が隠されているというのだ。

 上海地元紙の記者は明かす。

「江氏の状態については、各メディアに対し党中央宣伝部から直々に口止めがされており、報道できない」

 江氏のかかりつけ病院は、同じ復旦大学付属の華東病院であり、2009年にも心臓病の治療のために同院に入院しているという。しかし今回はすでに深刻な状態であったため、ICU体制がより整っている華山医院に搬送されたものの、そのまま息を引き取ったというのだ。

 しかし、江氏が死亡しているとしても、なぜ当局はそれを隠すのか。

 前出記者はこう話す。

「習近平政権へのひそやかな不満の表明として、元国家主席の江沢民を称賛するという動きが数年前からネット民の間で広がっている。1989年には、民主化に前向きだった胡耀邦元総書記の死に際して行われた学生らによる追悼集会から、天安門事件へとつながった。政府にはそのトラウマがあるのでしょう」

 ちなみに11年には、香港のテレビ局が江沢民氏の死亡を速報で伝え、産経新聞は号外まで出したが、のちに誤報だったことが判明している。