松戸市に住んでいたベトナム国籍の小学3年生、レェ・ティ・ニャット・リンさん(9=当時)が3月末、殺害され我孫子市の排水路脇に遺棄された事件で、死体遺棄容疑で逮捕された渋谷恭正容疑者(46)所有の軽乗用車やキャンピングカーなどから複数の毛髪や指紋が採取されていたことが18日、わかった。ほとんど止めっぱなしだったキャンピングカーから本人と家族以外のDNA型が検出されれば“余罪”の解明につながる可能性もある。

 リンさんの両親が18日、松戸市の自宅で記者会見し、父のレェ・アイン・ハオさん(34)は「娘が死ななければならなかった理由がいつ明らかになるか心配だ」と話した。渋谷容疑者が県警捜査本部の調べに黙秘を続けているとされることへの感想として述べた。

 リンさんは先月26日、排水路にかかる橋の下で、顔を殴られ首にひもで絞められた痕のある全裸遺体となって発見された。渋谷容疑者の自宅からは複数のひもも押収されている。遺体や遺留物から同容疑者のDNA型が検出されたことが逮捕の決め手となったが、渋谷容疑者は依然、黙秘を続けている。

 一方で18日、押収された軽自動車やキャンピングカーから複数の毛髪や指紋が採取されたことが判明。“犯行現場”とみられるキャンピングカーは5~6年前から自宅近くの駐車場にあった。しかし、近隣住民は「まったく動きがなかった。たまに軽自動車で男がやってきてキャンピングカーの中に何時間もこもっていた」と語る。容疑者の秘密の小部屋になっていたようだ。

 止めっぱなしのキャンピングカーからリンさんのDNA型が出れば、容疑者が黙秘を続けようが決定的な物証になる。

 著書「警視庁強行犯捜査官」を刊行した元警視庁刑事で犯罪ジャーナリストの北芝健氏は「毛髪は年数がたっていても性別、年齢、人種などを特定できる。5センチあれば抜けた時からさかのぼって5か月の栄養摂取なども分かる。実子やリンさん以外の幼女の髪の毛が出てくれば、発覚していない事件であっても余罪として追及することになるだろう」と指摘する。

 渋谷容疑者の自宅からは大量の児童ポルノものの裏DVDが押収されている。一部報道では東南アジア系の幼女モノも見つかっているという。事情通は「白人男がフィリピンやタイ、マレーシアなどで、幼女と性交する無修整動画が歌舞伎町や北池袋などで買える」と明かす。

 また、「渋谷容疑者がローティーンの地下アイドルグループの追っかけをしていたという情報もある」と事情通。保護者会会長や見守り隊などの社会的なポジションを隠れみのにしながら子煩悩な父親を演じていたが、頭の中は幼女のことでいっぱいだったのだろうか。

 北芝氏は「小児性愛者で犯罪に走る者の場合、40代半ばで初犯ということは極めて珍しい。自宅近くで同様の連れ去り事件がなくても、よその土地から幼女を誘拐してキャンピングカーに連れ込んだという可能性はないとは言えない」とみている。