バレエ講師の指切断で懲役6年求刑 同じ求刑の“チン切り”に比べると…

2017年03月15日 17時00分

 東京・渋谷のバレエ教室で昨年7月に女性講師(24=当時)の右手親指をタガネとカナヅチで切り落としたとして傷害罪に問われた元生徒の無職橋本浩明被告(41)に14日、懲役6年が求刑された。

 橋本被告は教室から退会処分にされたことに逆上し、講師の首を絞めて気絶させたうえ、指を切断するという蛮行に及んだ。東京地裁(菅原暁裁判官)で開かれた論告求刑公判で、検察は「計画的で危険、残忍、悪質きわまりない犯行で、バレエ講師の被害者にとって親指切断は、単なる日常生活の支障を超え人生を破壊された」として懲役6年を求刑した。この求刑は、妻を襲ったと勘違いして男性弁護士にチン切りの“私刑”を下した小番一騎被告の一審の求刑と同じだ。小番被告は懲役4年6月の判決(求刑懲役6年)を不服として控訴したが先月、二審で訴えが棄却された。

 報復のために被害者の身体の一部を切断し、犯行後は自ら通報するという共通点の多い犯行だ。「弁護士法人・響」の徳原聖雨弁護士は「傷害罪は命にかかわる行為ほど悪質とみられます。2つの事件は、陰茎も親指もどちらも身体の末端部分であり、さほど命に別条がない点では同じです。しかし、小番被告は陰茎をトイレに流して始末したが、橋本被告が親指を処分していない点はわずかに有利な事情といえるかもしれない」と解説する。

 バレエ講師は音大出身で、ピアノの全国大会入賞歴もあったが、接合手術を受けた右手親指は元には戻らずプロの道を奪われたも同然だ。

 一方で“チン切り”被害に遭った弁護士は身体的には男性機能が失われ、日常生活における不便は計り知れないが、事件のわずか4日後に復職したことからも弁護士業務にはそれほど支障がなさそうだ。

 徳原弁護士は「バレエ講師は仕事に重大な影響を受け、弁護士は排尿など日常生活の不便を被ったという違いはあるが、どちらも生活に支障が出たことに変わりはない。バレエ講師の方がより厳罰を望んでいることから、切断部分を処分していないなどの有利な事情を考慮しても、陰茎切り判決(懲役4年6月)より刑が重くなる可能性が高い」と指摘する。

 判決は27日に言い渡される。