売人が語る「麻薬天国」中国の実態

2016年12月20日 08時00分

 元女優の高樹沙耶被告(53)が大麻所持容疑、歌手のASKA容疑者(58)が覚醒剤使用の疑いで逮捕されるなど、今年は有名人の薬物事件が相次いだ。日本では大掛かりな取り締まりが行われているが、お隣の中国は“麻薬天国”と化している。

 経済特区に指定されている広東省深セン市は中国屈指の世界的都市だが、それは表の顔。麻薬がはびこる裏の顔がある。

「私たちが扱っているのはコカインや大麻。北京五輪以降、中国は経済発展したけれど、まだまだ所得は低いまま。工場で働いてもらえる給料は2倍くらいになってはいるけど、その分、物価も上がっている。だからこういう商売をやっているの。月に2万元(約36万円)は稼げるわ。買いに来るのは、ほとんどが農民の出稼ぎ労働者ね。彼らは一度、麻薬にとりつかれると、そこから抜け出せなくなるの」

 20代後半になる女性は、こう話すとズボンの裏ポケットからコカインが入ったビニール袋をいくつか出した。

「所持していても全然見つからないわ。お客さんは、欲しくなると電話をしてくるの。家には呼ばないわ。電話は盗聴されているから、こうしておくのが安全なの。麻薬は売春よりもうかるわね。ブツは北朝鮮やタイなどから入ってくるの。私たちは、大麻は吸ってもコカインはやらないわ。高いからね」

 女性はマンションで2人の女性と共同生活していた。3人は以前、広東省南部にある置屋や深センで売春をしていたという。農村出身で3人とも中学校を中退すると売春の道に走った。

 麻薬は中国の都市部を中心としてまん延している。街角には撲滅スローガンが掲げられているが、彼女たちの心には、まったく届いていない。麻薬の所持や売買で死刑になるケースも多い。それを知っていても、一度、この道に入ると抜けられなくなってしまうのだ。