職務停止の朴大統領 過激な国民性で暗殺の危機

2016年12月10日 18時00分

朴槿恵大統領(ロイター)

 韓国の朴槿恵大統領(64)の親友による国政介入疑惑や公務上秘密漏洩などで、朴氏に対する弾劾訴追案が9日、韓国国会で大差で可決した。今後、憲法裁判所が180日以内に罷免するかどうかを判断する。朴氏を職務停止に追い込み拍手喝采の国民だが、罷免だけにはとどまらず、“凶行”に及ぶおそれが出てきた。

 

 弾劾訴追案の可決を受け、朴氏は「私の不徳と不覚により国家的混乱を招き、国民の皆様に申し訳ない」と陳謝した。今後、憲法裁に進退は委ねられるが、朴氏が望みをかけるのが、同様の状況に置かれた2004年の盧武鉉大統領の例だ。

 

 盧氏も弾劾されたが、憲法裁判所の判断を待つ間に行われた総選挙で与党ウリ党が圧勝。事実上の信任とされ、憲法裁も盧氏は罷免するほどの重大な違反には当たらないとして、復職した。

 

 韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏は「朴氏の場合、現時点で訴追がひっくり返る要素はまずないが、100%とは言い切れない。韓国人はなんでも白黒つけたがる国民性で、逆をいえば黒とみられていたものが突然、オセロゲームのごとく白に変わることがある。大統領権限を代行する黄教安首相の指導力は未知数ですが、リーダーシップいかんによっては、セヌリ党の失地回復もあり得るでしょう」と指摘する。

 

 この極端ともいえる国民性は過去、歴代大統領を悲惨な末路に追い込んできた。

 

「常に自分を白(正義)に置き、黒(悪)と認定した者に対し、攻撃する習性がある。悪を攻撃してこそ自分が善である証明が立つのです。今月、朴氏の父親・朴正熙大統領の生家が放火されたのも朴氏憎しからの行動。ですから当然、朴氏自身への“テロ行為”も正義となってしまう」(但馬氏)

 

 朴氏は、朴正熙氏の暗殺未遂事件で母親の陸英修氏を巻き添えで亡くし、父親もその後、凶弾に倒れた“悲劇の一家”。大統領職を辞職すれば逮捕は免れない状況で、行くも地獄、退くも地獄が待ち受けている。