なぜ大学生は性犯罪に走るのか

2016年11月23日 19時00分

 東大、慶大、近大に続いて今度は千葉大――。千葉大医学部5年生の男3人が、9月に千葉市内の居酒屋で酔っ払った女性を介抱するふりをしてトイレで乱暴した後、自宅でも性的暴行した集団強姦致傷容疑で22日までに逮捕された。前日の21日には、女性を泥酔させて体をまさぐった近畿大の男が準強制わいせつ容疑で逮捕されたばかり。なぜ大学生による女性への性的暴行事件がこうも多発しているのか。

 千葉大医学部5年生の3人は9月下旬、千葉市中央区の飲食店のトイレで女性に乱暴するなどした疑い。飲み会は医学部生の実習後に開かれ、学生の他、指導的な立場の研修医も参加していた。男らは女性に酒を飲ませ、介抱すると装って女子トイレに入ったという。

 事件を受け、千葉大の中山俊憲医学部長は22日に記者会見し「非常に残念で、社会的責任を感じている」と謝罪。医学部内に調査委員会を設け、事実関係を明らかにするとした。

 有名大の学生による性犯罪が後を絶たない。今年は東京大学・同大学院の学生5人による女子大生強制わいせつ事件、慶応大学のサークル「広告学研究会」の集団強姦事件も記憶に新しい。似たような事件が多発しているのに、なぜ学生らは人生を棒に振るような蛮行を犯すのか。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「ほとんど新聞やテレビを見ない最近の大学生でも、ネットニュースで一連の事件は知っている。むしろ、知っているからこそ“うらやましい”“(飲み会で)俺らもイケるんじゃね?”と弾みがついてしまうのです」と現代の大学生気質を解説する。

 背景には、レイプや強制わいせつ、セクハラなどに対する犯罪意識の希薄さがありそうだ。

「ネット上では今でも“スーパーフリー和田”を信奉し、明治大と日本女子大のテニスサークルのコンパの末、酩酊状態の女子大生が大量にパンツ丸出しで寝ている写真を見ては“裏山(うらやましいの意)”と感じる若者が多くいる」(井上氏)

 スーパーフリーは、2003年に明るみに出た集団強姦事件の舞台となった早大のサークル。日本女子大の学生らが東京・新宿で集団昏倒して騒ぎになったのは一昨年のことだった。

 慶応大の事件では、レイプ犯自ら“証拠”となる動画を撮影し、自慢げに知人に実況中継するなどあきれた行為もあった。井上氏が続ける。

「動画で事件が発覚しやすくなっていますし、捜査関係者でさえも“本当にこんな動画があるのか”と驚くほど。今の大学生は『前略プロフ』(04年に開発されたウェブサイト作成サービス)で、恋人とのセックス動画を友達に公開したり、見せ合ったりするのが当たり前だった世代。レイプを動画撮影、実況中継するのは、女性をおとしめようという意図よりは、彼らにとってはただの“習慣”なのです」

 事件となり、成人に達していれば、半永久的に大学名や氏名がネット上に残る。退学や停学処分となり、就職も難しくなるのもわかりそうなものだが…。そこには高偏差値学生の幼稚さがある。

「彼らは高学歴で人生を甘く見ており、犯罪も“うっかりやっちゃったら大事件になっちゃった”というノリ。バブル世代は、高校時代から酒や女を覚えて手慣れた男がグループに1人はいてトラブルを回避できたが、最近は女性を口説くのに頭をフル回転する男は少なく、欲求は酒で正体不明にした女性で済ませばいいという、犯罪的なやり方を安易にする若者が急増している」と井上氏。

 犯罪行為ではない恋愛をできないのか。