東京・練馬で介護士小森美香容疑者(24)が、母親の説子さん(52)の頭を踏みつけて大ケガを負わせた傷害容疑で逮捕された事件。母親は死亡し、警視庁石神井署は傷害致死容疑も視野に捜査を進めているが、母娘の間に何があったのか。

「母親が死んでいるようだ」と美香容疑者からの通報を受けて閑静な住宅街にパトカー8台、救急車、鑑識車両3台が駆けつけたのは17日朝。同署によると「母親が布団も敷かずに床で寝ているのに腹が立ってかかとで踏みつけた。日頃から酒を飲み過ぎてだらしなく不満だった。ケンカが絶えなかった」と容疑を認めているという。

 美香容疑者は「14日夜に母親の頭を踏みつけたが、15日の昼ごろには母親が起きてきて話しかけてきたので無視した。16日は一日姿を見ず、17日の朝に意識がないのを発見した」と供述。司法解剖の結果により真偽が明らかになるとみられる。

 父親は単身赴任中で実質、不仲の母娘が2人で暮らしていた。近隣住民は「7~8年前に引っ越してきたが、呼び鈴を鳴らしても出てこなかったり母娘ともに社交的でなく近所付き合いはなかった。お母さんと娘さんが一緒にいるのを見たことはないけど、言い争う声も聞いたことがない」という。

 別の住民は「お母さんが酩酊状態になっているのは見たことがないが、ゴミ出しの時に足がフラついていることがあった。2階の部屋に電気がつくと、窓に酒瓶がずらっと並んでいるのが見えたことはある」という。

 美香容疑者のフェイスブックによると、音大でトロンボーンを専攻。昨年末から有料老人ホームで介護士として働く傍ら、市民オーケストラに入団して、演奏活動も精力的にしていたようだ。介護現場とオケ活動の多忙によるストレスが、母親に向かってしまったのだろうか――。