【大阪・父子死傷事件】24歳の定時制高校生の謎の素顔

2016年10月21日 06時45分

4人が殺害された川上さん宅

 大阪府門真市の大工・川上幸伸さん(43)ら父子4人が19日、刃物で刺され死傷した事件で、殺人未遂の疑いで逮捕された定時制高校生・小林裕真容疑者(24)の素顔が謎に包まれている。近隣住民の間では「引きこもりがちだった」「夜中に怒鳴り声がした」などの証言もあるが、具体的な人間像は見えてこない。川上さん一家の誰とも面識がなかったようで、事件の闇は深い。

 大阪府警門真署によると、19日未明、小林容疑者は川上さん宅1階のリビングの腰高窓を割って侵入。就寝中だった川上さんら一家に襲いかかった。川上さんは心臓付近を中心に腹部を複数刺され、病院に運ばれたが死亡した。長女(19)と次女(17)、長男(15)も顔や腕を切られたが、命に別条はない。

 同署員が駆けつけたところ、小林容疑者は長男に取り押さえられ、2階の階段付近で返り血を浴びてうずくまっていた。

 2階廊下には血のついた刃渡り約30センチの短刀が落ちていた。小林容疑者のリュックサックからは刺し身包丁やナタ、ぞうきん、小型のガスバーナーが見つかった。ガスバーナーでガラスを焼き、侵入したとみられる。

 捜査関係者は小林容疑者について「当初は『事件についてよく覚えていない』などと話していたが、その後は黙りこんで、不安定な面を見せている」と明かした。

 動機解明で重要なのは川上さん一家と小林容疑者の接点だ。川上さんは小林容疑者に「お前、誰や!」と叫んだことが判明していることから面識はなさそう。

 小林容疑者の自宅は川上さん宅から700メートルほど離れている。1階が母親が経営する立ち飲み屋で「2年ほど前まで犬がいて、フンがまき散らされていたり、自転車が道にはみ出していて警察が注意しにきていた」(近隣住民)。そんなトラブルもあったが、川上さんが常連客だったなどの話はなかった。

 近所の住民は小林容疑者について「ここ1~2か月、夜間に3階付近から『うるさいんじゃー』『何をしてんねん!?』と男の怒鳴り声や壁を叩く大きな音が響いていた。1週間ほど前には平日の昼間にも聞こえた」と話している。

 また、母親の店の客は「息子は見たことない」「そんな年頃の息子がいるなんて知らんかった」と話す。

 近所付き合いもほとんどなかったようで、同容疑者の弟と同級生の男子高校生は「夜中(に容疑者が)自転車でフラッと走ってるのを見るくらい。めったに見ないけど、神経質な感じで外で遊ぶようなタイプじゃない。ひきこもり? そうですね。弟もはっきりとじゃないけど、そんな感じで言ってました」と語る。

 川上さん宅は、物流会社の倉庫が多く立ち並ぶ一角の端にある。路地にも民家が並んでいるが、なぜ川上さん宅を選んだのか。

 近くの住民も「あの辺りは最近建った家が多いんやけど、他にも家があるのになんで川上さんとこなんやろか。ウチが狙われてもおかしくないから怖い。娘さんを見かけてストーカー行為に走ったんやろか?」といぶかしがる。近辺で不審者情報はなかったともいい、小林容疑者が川上さん宅を下見していた形跡もない。

 川上さんの長男の中学時代の友人も「2日前に(長男と)遊んで、一緒に食事した。変な人が来てるとか、お姉ちゃんがつけられて困ってるとかは聞かんかった」と話し、川上さん一家がトラブルを抱えている様子もなかったという。となると場当たり的な犯行なのか? 一刻も早い真相解明が待たれる。