【横浜連続点滴殺人】立ち入り検査に「抜き打ちじゃないと意味ない」の声

2016年10月13日 08時00分

 時すでに遅しだ。横浜市神奈川区の大口病院で起きた“連続点滴殺人”を受け、横浜市が11日、病院に臨時の立ち入り検査を実施した。

 同病院4階に入院していた八巻信雄さん(88)と西川惣蔵さん(88)が9月に相次いで亡くなり、体内から有毒の界面活性剤が検出されたことで殺人事件に発展。点滴袋のゴム栓には注射針の跡があったことから、犯人は医療従事者、それも内部犯行が疑われている。

 立ち入り検査について「遅きに失したとしか言いようがない」とは地元関係者だ。

 大口病院をめぐっては、8月までに看護師の服が切られたり、患者のカルテが抜き取られたり、同僚のペットボトルに異物が混入されるなどの“危険な兆候”が横浜市の健康福祉局監査課と神奈川県警に寄せられていた。

 しかし市は再発防止を促しただけで、警察も捜査には乗り出さず。前出関係者は「県警も事件が発覚して慌てて動きだした。犯人はとっくに証拠隠滅しているだろうね。今回の立ち入り検査も『臨時』とうたっているが、先週の段階で『11日に入る』ということは伝わっていた。抜き打ちでやらなきゃ意味がないよ」と憤る。

 もともと物証に乏しい上、証拠隠滅されていたなら捜査はお手上げだ。

「県警は状況証拠だけで立件しようと模索していたが、どうも厳しいようだ。現在は科学捜査研究所に協力を要請し、押収した点滴や注射針に残された犯人のわずかな痕跡をたどっている」と捜査関係者は話している。