強盗、窃盗…「ラーメン二郎」が狙われる理由

2016年10月13日 07時15分

一日中行列が絶えない神田神保町店

 なぜ二郎が!? ラーメン激戦区の東京・神田神保町で行列が絶えない「ラーメン二郎 神田神保町店」で券売機から現金が奪われる窃盗事件が起きた。ラーメンマニアに絶大な人気を誇る「二郎」は3月にも八王子の店で強盗被害があったばかり。二郎を熱烈に愛する“ジロリアン”の怒りが止まらない。

 被害が判明したのは11日午前8時過ぎ。店主が出勤すると店内に置いてあった券売機がバールのようなものでこじあけられているのを発見。中に入っていた現金約20万円がなくなっていた。

 厨房裏のガラスが割られており、犯人はここから侵入したものとみられる。8~10日は連休で、店を閉めたのは7日午後9時ごろ。11日朝まで店の関係者の出入りはなく、この間に被害に遭ったことになる。

 二郎は豚のゲンコツ、背骨、アブラ、そして肉でとったスープに、これでもかという量のメン、てんこ盛りの野菜とチャーシューが売り。店員から無料トッピングの野菜やニンニクの量、スープの濃さ、アブラの量の多少を聞かれた際、「ニンニク、ヤサイマシ、アブラ、カラメ、オオメ」などと呪文めいたコールという独特の儀式もあり、ジロリアンなる熱烈なファンを生んでいる。

 約40店ある全国の二郎はどこも繁盛しており、中でも神田神保町店は、1時間以上の待ちはザラで、「二郎のトップ5に入る」(ジロリアン)人気店だった。

 なぜ20万円もの現金を店内に置いていたのか?

 奪われたのは売上金ではなく、券売機にセットしてあった両替用の現金だった。店主は本紙の取材に「売上金を店に置いておくことはない。連休明けは銀行が混雑しているので、いつもより多めに両替用の現金を置いてしまった」と嘆く。

 二郎を巡っては3月に東京・八王子の「野猿街道店2」で店主が何者かに金づちのようなもので帰り際を襲われ、売上金約70万円を奪われる強盗事件があった。店主が売上金を管理しているのを把握したうえでの犯行とみられる。

 再び二郎が狙われたことに週2回は通うジロリアンは「二郎は各店で形態が異なるが、店主が必ず店を切り盛りするのが掟で、スタッフの数は少なく、ワンオペ(一人勤務)のところもある。売り上げはどこも多いから狙われてしまったのでは」と話す。

 神田神保町店には店の入り口に防犯カメラが設置してあるが、営業時間中にウェブ上で行列の長さを知らせる目的であり、休みの日は作動していなかった。人目につかない裏口からの侵入や両替用の現金が券売機に入っている慣習を知ったうえでの犯行なら、店の事情を知っていた者の可能性もある。

 店主は「野猿街道店のように襲われることがなかったのは不幸中の幸いですが、店に入られたのは、なんだか気持ち悪い。スープからすべて、ゼロから作り直します」と仕込み直しで営業再開は早くて3日後だという。

「臨時休業」のお知らせにガックリと肩を落としたり、「許せない」と怒るジロリアンもいた。現金を奪ったうえにジロリアンの楽しみをも奪った犯人の罪は重い。