横浜市神奈川区の大口病院で起きた“点滴連続殺人事件”で、同病院の高橋洋一院長が語った意味深な言葉が、関係者の間で波紋を広げている。神奈川県警が殺人容疑で本格的に捜査を始めてから30日で1週間。本紙は昨報で「犯人の目星はついている」との捜査関係者の言葉を伝えたが、病院内部はどうなっているのか。

 今月に相次いで亡くなった西川惣蔵さん(88)と八巻信雄さん(88)の体内から有毒の界面活性剤が検出され、急展開した事件は、未使用の点滴袋の一部でゴム栓の保護シールに極小の針穴が開いていたことから、犯人が医療従事者である可能性が高まった。

 捜査当局は病院職員を中心に事情聴取を続け、その結果、2人の内部関係者が捜査線上に浮上しているのは本紙昨報通りだ。院内はピリピリムードで、事件直後にマスコミ取材に答えた女性職員は、きつくおきゅうを据えられたという。

「情報番組では顔はモザイク、音声は変えて放送されたが、すぐに正体がばれ、病院幹部に『今度しゃべったらクビ!』と通達されたそうだ」とはテレビ関係者。

 職場環境も決して良好とは言えない。過去に親族が夜間診療を受けた30代女性が明かす。

「昨年末にお世話になった際、非常勤っぽい男性医師が警備員に『このグズがっ!』と罵声を浴びせていて怖かった。患者がいるのに誰も止めに入らなかったのも異様だった」

 院内では情報も錯綜しており、共犯説や前出の2人とは別の“第3の人物”の名前まで取りざたされているという。

 そんななか、同病院の高橋院長が24日の取材で話した内容が再び関心を呼んでいる。

 高橋院長は事件の感想を聞かれ「(全国各地の施設で若手の)施設職員による高齢者への虐待が起き、勤務している若い人の心情がよく分からないことがある」とコメント。まるで今回の犯人が「年齢の若い職員」であると悟っているかのような言い回しだ。現場関係者の一人は「事実、要注意人物として名前が挙がっているのは20代の女性職員。院長は『犯人は分からない』と話していたが、実は心当たりがあるんじゃ…」と指摘する。