【横浜点滴連続殺人】“第2の植松”なのか?

2016年09月28日 07時00分

点滴殺人事件が起きた大口病院

 横浜市神奈川区の大口病院で、入院患者の八巻信雄さん(88)が点滴に界面活性剤を混入されて中毒死した事件は連続殺人事件に発展した。26日、神奈川県警の調べで八巻さんと同室で亡くなった西川惣蔵さん(88)も中毒死だったことが判明したのだ。八巻さんの点滴には入院していた病院4階にある消毒液が混入されたとみられる。未使用の点滴の一部でも注射器を刺した痕跡が見つかったといい、犯人は無差別殺人を狙った可能性も。地元住民は「相模原で障害者を殺した事件と同じじゃないか」と“第2の植松”に恐怖している。

 八巻さんは14日に入院。19日午後10時ごろに点滴が開始され、20日午前4時ごろに容体の異変が起きた。午前5時前に死亡が確認され、点滴に異常があったことから病院が通報していた。

 新たに中毒死と判明した西川さんは13日に入院、18日に亡くなっていた。西川さんからも界面活性剤が検出され、警察は殺人の疑いで捜査をしている。

 ほかに80代、90代の男女2人の入院患者も中毒死が疑われたが、警察の調べで病死と判断された。

 この病院では4月から8月にかけて看護師のエプロンが切られたり、カルテが抜き取られたり、看護師の飲み物に漂白剤が混入されたりとトラブルが頻発していた。今回の殺人と同一犯かは、まだ分からないが、9月に入ってからは患者がターゲットになっており、これまでのトラブルと比べて異質でもある。

 大口病院は設立して約60年。地元住民の男性は「ずいぶん前からある。途中、駅の反対側に大口東病院ができて、そっちが“本体”みたいになっちゃって、こっちには80歳とか90歳とか、ほかの病院で“難しい”と判断された患者が集まるところになっていた。最期をみとる病院というのかな。だから亡くなる人がいるのは珍しいことじゃなかったんだ」と話した。

 一部メディアは7月から9月までの2か月で、約50人の高齢患者が亡くなったと報じているほどだ。

 終末期の患者が多かったというが、高橋洋一院長も24日の会見で「これ以上行き先のない方を受け入れており、亡くなる方が多い」と認めていた。八巻さんも西川さんも寝たきりの状態だったという。

 だからこそ地元民は、7月に相模原の障害者福祉施設で19人が殺害された事件との類似性を感じてしまうという。

「相模原であったアレと同じところあると思うよ。先の短い老人だからと(犯人が)勝手に思い込んで殺したんじゃないか」(前出の男性住民)

 相模原の事件で逮捕された植松聖容疑者(26)は「障害者の安楽死を国が認めてくれないので、自分がやるしかないと思った」と供述するなど、重度の障害者の将来を自分勝手な思い込みで悲観し、犯行を正当化していた。点滴に界面活性剤を無差別に混入した犯人も高齢者の将来を悲観したのかもしれない。

「犯人が内部なのか外部なのか分からないけど、今もそこらへんを歩いているかもしれないんでしょ。人と通りすがるたび、アイツかコイツかとビクビクしてるよ」(同)と“第2の植松”におびえている。

 この日、高橋院長は報道陣に対して「私たちもまさかと思っています。病院なので基本的に誰でも入って来れます。(第三者の犯行かは)分かりません。(内部の犯行かも)警察から明確な返事はなく、捜査中だと思います」と語った。今後、院内の体制見直しを図るという。

 トラブル続きだが、決して医師らの評判が悪いわけではない。ある女性利用者は「看護師さんも優しかったです」と振り返った。別の男性住民は「将来ここにお世話になるかもしれないけど、怖いね」と話した。

 連続殺人をした犯人は今頃、植松容疑者のように自分を救世主とでも思っているのだろうか。