イジメ、いたずら防止に役立つ「防犯カメラ」なぜ学校では設置進まない?

2016年09月27日 07時00分

街中の至る所に防犯カメラはある

 千葉県八千代市の市立中学校で、教室に設置された水道の蛇口が開けっぱなしで放置され、教室が水浸しになる被害が連続して発生した。こうした事件や、度々問題になるいじめなどが起こるにつれ、校内に防犯カメラが設置できないかが議論になる。確かにカメラがあれば“決定的証拠”を押さえられそうだが、そう簡単にはいかないようだ。

 同市立大和田中学校で25日朝、出勤してきた教師が4階の教室の流し台から水があふれ、下の階まで浸水しているのを発見した。八千代署は24日の夜から翌朝にかけて、何者かが侵入した可能性が高いとみている。

 同様の被害は今月5日にも、市内の別の公立中学校で確認されており、双方に関連がある可能性もある。

 こうした事件やいじめなどが起こると、校舎内に防犯カメラを設置できないのかという議論が浮上する。

 首都圏の公立中学校に勤務する教員は「門や外壁周辺にカメラを設置したり、校舎や体育館などに警報装置を取り付けているところは増えているが、校舎内にカメラを設置するのは公立では難しい」と断言する。

 大阪・池田市の小学校で無差別死傷事件が発生した2001年以降、公立でも全国の学校で防犯カメラの設置が進んだ。一定の犯罪抑止にはなっているが、それでも校内やその周辺に多くの「死角」が存在していることには変わりはない。最近は繁華街や住宅街でも防犯カメラを設置するところも増えているが、学校に関してはなかなかうまくはいかないようだ。

「当然、一般的な意味でのプライバシーの問題もあるし、何より教員には『監視』や『管理』されることへのアレルギーが強い人も多い。そもそも、自治体から予算がもらえないと設置はできないので、国がもっと積極的に推進しない限り、設置は進まない。撮影した映像の管理の問題も含め、ハードルは高い」(前出の教員)

 そんな中、別の公立中学校教員はいじめに関して近年は被害生徒が“自衛”を図る例も増えていると明かす。

「最近は、ネット上で様々な方法が紹介されるようになった影響もあってか、いじめの証拠を記録するために、親が子供にICレコーダーを持たせる例も増えています。実際に決定的な音声を残せば弁護士にも相談しやすいし、学校だって動かざるを得ない。一方で、中途半端にレコーダーを持たせると、それがバレてより陰湿ないじめを受ける危険性もあるので、安易にやってはいけないです」

 文明の利器の導入はやはり、それなりのリスクを考慮しなければいけないようだ。