【兵庫・姫路】「拘置所が苦痛」公判中の被告が逃走した意外な理由

2016年09月15日 17時00分

 兵庫県姫路市の神戸地裁姫路支部で14日、窃盗事件で公判中の被告(無職・32)が、刑務官の隙をついて法廷から逃走する騒ぎがあった。

 兵庫県警などによると、約20分後に通報を受け駆けつけた捜査員が、姫路支部から約500メートル離れた路上にいた被告を取り押さえ、逃走容疑で現行犯逮捕した。その際、腰縄や手錠をしておらず、抵抗もしなかったという。

 被告はDVD2枚を盗んだとして窃盗罪で起訴されていた。この日は姫路拘置支所から護送され、公判に出廷。刑務官2人に挟まれ座っていたが、隙をみて、法廷の傍聴席出入り口から逃走し、拘置所の職員が110番した。

 被告は「拘置所での生活が苦痛で逃げた」と供述したという。具体的に何が苦痛だったのか不明だが、拘置所生活に詳しいアトム法律事務所弁護士法人の岡野武志代表弁護士は「一番よく聞くのは暇すぎるという声ですね」と説明する。

 判決が確定していない未決拘禁者の場合、拘置所での生活は7時ごろに起床、点検、朝食。受刑者と違って作業がないため、空いている時間は読書など自由に過ごせるという。

 その後、昼食、夕食を経て、21時には就寝時間となる。ラジオを聴くことや新聞、雑誌の閲読も可能で、酒はダメだが、差し入れも広範囲に認められているという。

 ずいぶん自由な生活に感じられるが、被告のように公判に出廷する段階になると調べも終わっており「拘置所は食事以外、することがないので、読書とかが趣味じゃないと、一日中ダラダラ過ごしているだけの人も多いようです」(岡野弁護士)。

 建物の古い拘置所は冷暖房が完備されていないこともあるため「不満を持つ可能性はある」(岡野弁護士)とも指摘した。姫路拘置支所には冷房設備はなく、真夏の拘置所暮らしが苦痛だった可能性もある。

 同拘置支所は、被告の様子について「他の被告人と態度は変わらない。不平不満や落ち込んでいた様子はなかった」と説明していた。