【千葉・酒々井バラバラ遺体】近隣住民が指摘した「仲良し姉弟の異変」

2016年09月15日 07時00分

愛美容疑者と諒さんが住む自宅

 仲良し姉弟に一体何が…。千葉県酒々井(しすい)町の民家でバラバラ遺体が発見された事件で、県警捜査1課と佐倉署の特別捜査班は13日、この家に住む姉の竹内愛美容疑者(25)を死体損壊容疑などで逮捕した。遺体は行方不明の弟・諒さん(21)とみられる。愛美容疑者は地元のスーパーで働き「気立てのいい子」と評判。諒さんは「音ゲー」と呼ばれるリズムゲームにハマり、自宅をゲームセンターさながらの空間に“改造”していたが、引きこもりではなく、姉弟で外出することもあった。ただ、近隣住民からはある異変が指摘されていた――。

「2人ともいたって普通の子。事件を聞いて、ビックリしている」

 近隣住民はそう口を揃える。亡くなったとみられる諒さんの遺体は頭部、胴体、腕、脚とパーツごとに分解され、リビングに置かれた透明のビニール袋に入れられていた。頭部は下顎部分で切断され、一部の皮が剥がされていた。死因は損傷が激しく不明。腐食が進んでいないことから、冷蔵庫で保管されていたとみられる。

 事件発覚のきっかけは諒さんと連絡が取れなくなったことを心配した知人3人が12日午後に自宅を訪れたこと。自宅駐車場に諒さんの車があるにもかかわらず、チャイムを鳴らしても応答がないため、警察に通報。駆けつけた警察官が部屋で遺体の入ったビニール袋を発見した。同居する愛美容疑者から事情を聴き、死体損壊と死体遺棄を認めたため逮捕。取り調べに「2週間くらい前にやった」と供述している。

 一家は両親、愛美容疑者、諒さん、妹2人の6人家族で住んでいたが、10年以上前に両親が離婚。子供は母方に引き取られたが、5年ほど前に父親が自宅で孤独死すると、空き家となった自宅に愛美容疑者と諒さんが暮らし始めた。妹2人は現在も母親と生活しているという。複雑な家庭であることは間違いない。

 近くに住む女性は「お姉ちゃん(愛美容疑者)の方は自転車でアルバイト先のスーパーに向かう姿をよく見ますね。派手ではなく、メガネをかけた普通の子。スーパーでは子供に笑顔で手を振るなど、気立ての良い子に見えた」と証言する。

 諒さんはいわゆるゲーマー。「ビートマニアII DX」というDJスタイルのリズムゲームにハマる通称「弐寺er(ニデラー)」だった。部屋をゲームセンターさながらの設備に“改造”し、事件後閉鎖されたツイッターでは「音ゲー部屋」と自慢していた。改造費用は少なくとも数十万円以上。プレー動画をインターネット上にアップし、同じ趣味の人と交流も図ってきた。

 かといって、引きこもりではなく「8月に片道3時間かけて海にも行っていた。近所でも前傾姿勢で自転車に乗る姿が目撃されている」(同)。

 姉弟仲も悪くはなく「昨夏には大型バイクに姉弟でニケツ(2人乗り)してどこかに出掛けていた」(別の近隣住民)という。

“異変”が感じられたのは今年に入ってから。付近に住む50代女性は「ある時から車を買って、家に弟さんの友達が出入りすることがあった。お姉さんの許可を得ているかは分からない。そのころから、姉弟で出掛ける姿は見かけなくなった」と話す。

「弟が『この家は俺のものだ』と怒鳴っていたこともある」と別の住民。部屋を改造していることなのか、家に友人を連れ込んでうるさくしていることなのか、家の財産分与についてなのかは不明だが、ケンカになったことがあるようだ。

 愛美容疑者には弟殺害の嫌疑もかけられており、現在捜査中。元刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は「仮に愛美容疑者が犯人だった場合」と仮定した上で、その深層心理を読み解く。

「愛美容疑者は週に数回、高給とは言えないスーパーのアルバイトで生計を立てていた。かたや弟さんは趣味のゲームに病的にハマり、やりたい放題。彼女の不満がうっ積していた可能性はある」

 遺体の損傷が激しく、頭部は下顎がないという異様な状況だった。

「サイコ的なものではなく、衝動だと思う。近隣住民の話を聞くと、彼女は『いい子』で通っていた。こういう女性こそ危ない。キャラクターを維持するのに余計なエネルギーを使っているので、ストレスをためやすい。遺体の損傷ぶりから考える限り、以前から憎悪をため込み、それが何らかのきっかけで、爆発したのだと思う」と指摘した。

 事件の全容解明が待たれる――。