六代目山口組の中核組織・弘道会のお膝元である名古屋にあるローカル局東海テレビの「みんなのニュース One」で9日、山口組幹部のインタビューが放送された。この幹部のインタビューを巡っては、前日8日から様々な情報が飛び交う事態となっていた。

 顔にボカシが入り、声も変わっていた山口組幹部はジャーナリスト・大谷昭宏氏(71)に答える形で、昨年分裂した神戸山口組に対し「六代目の親分の盃をいただいて10年もたって何も言わんと出て行ったと。今謀反で出て行った彼らも六代目の親分から盃をもらった時は感動して『一生懸命頑張ろう』という気持ちがあったと思います。本来は『組織についていかれへん』となったら申し出て身を引いたらいい」。

 今後の関係については「向こうの井上(邦雄神戸山口組組長)次第でしょ。井上が親分(司忍こと篠田建市六代目山口組組長)のとこに来て『勘違いしてました。申し訳ありませんでした』と言ったらそれでしまい(終結)ですよ」。

 神戸山口組の組員が5日、新神戸駅で篠田組長にサインを求めるという挑発行動を取ったことには「これはちょっと許されんでしょう。親分にサインとか。神様ですよ、わしらにとったら。このガキら自分らがしたことがどんだけ後日、彼らにとってマイナスになるか」などと怒りを表した。キー局のフジテレビでも時間は短縮されたものの、同様のものが放送された。

「8日午後の時点で、山口組が神戸山口組にテレビを通じて重大な通告をするという話が出てきた。サイン事件で司忍組長が激怒していると聞いていたから、さすがにないとは思ったが『停戦か』『和解か』などといろいろな噂が出た。時間がたつにつれて5月に流れた和解交渉について話すらしいということだった。まあ蓋を開けてみれば、当初から主張していることを改めて言っただけだった」と在京組織関係者。肩透かしを食らったともいえるが、こんな噂も出ている。「司忍組長がテレビのインタビューに応じたという話が出回っている。情報では東海テレビとは系列が違うキー局とのこと。それが事実で放送されたら、何か大きな動きがあるかもしれない」と前出関係者。依然として抗争の終結点は見えていない。